「2019年の日本の出生者数予測は90万人を割り込み過去最低に」という政府の発表が深刻な事態として報道されています。これを受け、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、「日本の急速な少子化」の実態を改めて解説すると共に、移民政策を軸に出生者数減をカバーしようとする日本の現行政策に異を唱えています。
日本の出生者数、過去【120年】で最少に…
今回は、出生者数に関する衝撃的なお話です。内閣府のデータをみてみましょう。
日本の歴史上、出生数が最高だったのは1947年です。この年に生まれた子供は、269万人!第2次ベビーブームの1973年、出生者数は209万人。この年の出生率は2.14。以後46年間(!)にわたって、日本の出生者数は、右肩下がりで減少しつづけています。
そして、今から3年前の2016年、ついに出生者数は100万人を割り込みました。この年は、97万6979人です。100万人割れは1899年以降はじめてということで、大騒ぎになりました。
しかし、これは、「悲劇のはじまり」に過ぎなかったのです。こちらをごらんください。
19年出生87万人下回る見込み 衛藤少子化相「深刻な状態」
共同12/10(火)12:45配信
衛藤晟一少子化対策担当相は10日の閣議後記者会見で、2019年の出生数が87万人を下回る可能性があることを明らかにした。1899年の統計開始から初めての90万人割れで、21年と見込んでいた想定より2年早い。衛藤氏は「深刻な状態として強く認識している」と述べた。
「100万人を割った!」と騒いでいた3年後、今度は90万人を割る。2019年の出生者数は、ここ120年間でもっとも少ないのです。このままいくと、日本の人口、2050年には1億人をわります。2100年には5,000万人を割り、今の韓国レベルになります。その後も増えていく保証はなく、いったいどこまで減りつづけるのか誰にもわからない。
そして、政府は愚かにも「移民で人口を増やそう」と考えている。2100年頃になると、「中国人が日本人より多い」となる可能性もあります。その時、ウイグルやチベットの悲劇が繰り返されない保証はあるでしょうか?
少子化問題は、現状日本最大の問題です。憲法改正よりも先に取り組んでいただきたい。
ちなみに出生率は政策で増やすことができます。私が住んでいたロシアの出生率は1999年、1.16でした。しかし、その後「母親資本」(マテリンスキーカピタル)制度によって、激増。2015年には、1.75まで増えました。
どうすれば日本の少子化問題は解決できるのか?長くなるのでここでは書けませんが、興味のある方は、こちらをご一読ください。そして、是非知り合いの政治家さんにも教えてあげてください。
少子化問題、地方衰退、過労死、過労自殺、いじめ、孤独死、未婚、晩婚など、日本の諸問題を【根本的に解決する方法】を記した本です。
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