一周回って「朝ラーメン」が流行りだしている理由が真面目だった

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漁業など、朝が早い業種の方を中心にとし数年前ブームになりかけるものの、結局全国区にはならなかったと言われている「朝ラーメン」。しかしここにきて、再燃の兆しがみられているようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、なぜ今、朝ラーが一般のサラリーマン達に流行り始めたのかを、「労働環境の変化」から考察しています。

ブーム再燃。全国で「朝ラー」が始まっている!

朝ラー」。数年前ブームになりかけた、「朝ラーメン」のこと。静岡県藤枝市・焼津市や福島県喜多方市などで見られる、朝からラーメンを食べる習慣が起源とされています。

しかし、当時はブームというほどの盛り上がりは見られませんでした。「朝からラーメンなんてと、敬遠された感があったのです。朝から食べるには重く、健康的な朝のイメージとは程遠い存在だったのかもしれません。

では、なぜ静岡と福島で習慣化していたのでしょうか。静岡では、漁業関係や茶業の人たちが、朝食も摂らずに早朝から仕事をします。ひと段落したところで朝食を摂るのですが、労働の後なので、普通の朝食では物足りないのです。そこで、お店に「ラーメンが食べたい」と要望したと言います。

福島では、喜多方市に三交代制の工場があり、その夜勤明けの工員のために始めた、という説があります。また、早朝の農作業を終えた人のために、という説も。

何れの場合も、労働する人たちの要望に応えるカタチで生まれた習慣なのではないでしょうか。

この習慣を9時5時のサラリーマンが多い地域で広めようとしても、必要性が見出せません。ブームにならなかったのは、そのあたりに原因があるのでしょう。

しかし、再びブームが訪れようとしています。それはなぜでしょうか?サラリーマンがラーメンを食べるのは、昼食か夜の飲み会後。特に、深夜のラーメンが多い。ところが、飲み会自体が減少し、ラーメンを食べる機会も減りました。ラーメンは好きなのに、食べられなくなったのです。

そこに登場したのが、「朝食ブーム」です。お洒落なカフェモーニングやスープバー、正しい和朝食を提供するお店が増えてきました。朝食をしっかりと摂ることが見直されたのです。朝はガッツリ食べても、日中に消化されるので、多少カロリーの高いものでも問題はありません。つまり、ラーメンを罪悪感なく食べることができるのです。健康のためにも、夜より朝が良いのです。

寝る前4時間はものを食べてはいけません。胃腸に負担が掛かり、中性脂肪が蓄えられて太ると言われているいま、朝ラーメンは理にかなっているのです。朝食ブームと健康ブームが、ラーメンを夜から朝の食べ物へと変えようとしているのです。

静岡・福島の他にも、青森・秋田・宮城・山形・新潟・埼玉・東京・京都で、「朝ラー」が確認されています。朝食の代名詞となることはないでしょうが、確実に定着するのではないでしょうか。「朝からラーメンなんてと言う人は、いなくなるでしょう

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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