「日本の景気は後退しているか否か?」人気コンサルに聞いてみた

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日経平均株価は昨年末に一時2万4千円台を回復。一部上場の大企業のボーナスは軒並み増額と景気のいい話が聞こえてきた2019年の年の瀬でしたが、2020年はどうなるのでしょうか?今年はオリンピックもあって特需が期待されるなど、明るい話題もありますが、皆さんの周囲で、景気が良いなという実感はありますか?そんな誰もが気になる話題に、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さんが回答。消費税と社会保険料の考え方についても教えてくれます。

日本の景気は後退しているか否か

Question

shitumon

日本の景気は後退しているのかしていないのか見解が分かれるような状態かと思います。Twitterで多くフォロワーを抱える方いわく、景気後退を指摘すると批判のリプが多くつくとかなんとか……。 永江様の必殺エビデンス付き解説で2019年の日本の景気はどうだったのか、ぜひ知りたいです。よろしくお願いいたします。

永江さんからの回答

日本の景気は一見回復しているように見せているだけで、実際は決して良くはないと思います。というのも、Yahoo!ニュースでもありましたが、経団連の試算によると2013年度からの5年間で日本の働き手の給与の増加が平均4.4%だったのに対し、社会保険料は10%増加しているんです。
「給料上がったのに実感がない」そのワケは(日本テレビ系(NNN)) – Yahoo!ニュース

いくら企業が給料を上げて景気回復を謳っても、それ以上に社会保険料の負担も増えるため世帯で自由に使えるお金(可処分所得)は下がってます。

先日もテレビで消費税論議をやっていましたが、誰も給料から3割も天引きされている社会保険料について言及しておらず唖然としました。消費税と社会保険料はセットで語られるべきで、もし消費税をなくしたら社会保険料が暴騰して現役世代を直撃し、喜ぶのは年金暮らしの高齢者だけというのは明白です。

いま唯一消費が支えられていると思うのは土建業ですね。ここ数年震災や台風など災害が多発し、千葉なんていまだ屋根をブルーシートで覆っている家がたくさんあります。(地元の職人さんに聞いたところ修理に2年待ちの家も多いとか……)

東京でも二子玉川周辺が台風で被害を受けた時は地下駐車場が水没し、何千台も高級車が全滅したと聞きました。冷蔵庫など大型家電の故障も相次ぎ、量販店では納期が2ヶ月待ちなどもザラだったそうです。こうした災害特需みたいなのは今年はあったと思います。

またブログに何度も書いてますが、オリンピック後の2025年問題は深刻です。いま田舎は高齢者でいっぱいですが、2025年になるとどんどん亡くなって過疎化していき、都市圏に住む団塊の世代が一気に後期高齢者になります。65歳以上の高齢者をわずか54%の労働人口が支える構造となり、いわゆる暗黒の時代に突入するのです。

いくら名目賃金が上がっても実質賃金は減少しているので、景気はよくなるわけないと思っています。8月の景気指数は4ヶ月ぶりに悪化していましたし。

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