ニューヨークで財布を拾ってもらうとどうなる?日本人社長の実話

 

NYでの忘れ物はもはや日常?

最近では「アイフォーンなくした」と妻に報告すると、「撮った子供達の写真」がiCloudにちゃんと保存されているかだけを確認され、なくした事実には言及されなくなりました。怒られなくなりました。いろいろと諦められました。

旅先で購入して旅先で撮って旅先で落としたデジカメは、一体、何だったのか自分でも気持ちの中で消化できません。マイアミ、確かに行ったよな?おかげで写真1枚も手元に残ってないけど。

ちなみに傘は「なくしもの」にカウントされません。あんなもの「なくしもの」や「落とし物」の対象に入れられたら、100を超える。いくらあっても足りない。最初から「どこかに忘れていくもの」として、僕の中では存在します。なので、安物のビニール傘しか持たせてもらえません。

ある日、ビニール傘を持って仕事に出かけ、当然のごとくなくし、訪問先で「これ持って行ってください」と言われ、それもなくし、次の訪問先で「これ持っていきなよ」と言われ、それを繰り返し、結果、割と高級傘を自宅に持って帰ったことがありました。朝、100円のビニール傘を持って出かけた旦那が、高級傘を片手に帰宅したのを見た妻に、「しょっっぼい、わらしべ長者!」と言われました。

たとえば、新入社員。入社したての頃は、既存の社員がいろいろと研修します。電話の取り方からメモの取り方など、会社のさまざまな決まりごとを。その中には、もう何年も前から、当たり前のように「社長と食事に出かけたら」というマニュアルもあるみたいです。「いい?まず、テーブルの上。次に椅子。で、最後にテーブルの下を確認して。これは財布本体。冬なら手袋も常習。あとはクレジットカードを伝票に挟んだままじゃないか。上着を着てきているか。油断したらバッグごと店内に忘れるから」と僕の真横で、丁寧に説明をしているのを聞いたことがあります。

社員と一緒に隣町のニュージャージーに出かけた際、財布をなくしました。あ!落とした!とガックリと首を落とし、次の瞬間、普通に会話した僕を見て、社員の彼は、「財布を落として、おちこむ期間がここまで短期間な人、初めて見ました」と驚きを隠せない様子でした。「どれだけ日常なんですか!?」と。「もうちょっと、焦りましょう」とも言われました。

その夜、うちにごはんを食べにきた彼は、うちの奥さんに「すみません、僕がついていながら」と僕が財布を落としたことに対して、謝罪して、妻も妻で「しかたないけど、次からは気をつけてね」と、僕を挟んで二人で会話をしていました。目の前の僕はスルーされました。もう話してもしょうがない、というのが、周囲の見解みたいです。

いちばん大きな「忘れもの」は車。ウエストチェスターまで車で行って、当たり前のように電車で帰ってきました。駅の駐車場に駐車していた車をわざわざ横切って改札をくぐった。他のことを考えていたら愛車も目に入らない。いまのところ4歳の双子を忘れたことがないのは救いです。

print
いま読まれてます

  • ニューヨークで財布を拾ってもらうとどうなる?日本人社長の実話
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け