カルロス・ゴーン被告が保釈中に国外逃亡した事件で、東京地検は29日、弁護人を務めていた弘中惇一郎弁護士の事務所の家宅捜索を始めたと読売新聞やNHKが伝えている。ゴーン被告は保釈中、同事務所で多くの時間を過ごしていた。東京地検は関係する資料などを押収し、逃亡に至る経緯について解明を進めるものとみられる。
謎に包まれるゴーン被告の逃亡
ゴーン被告は保釈条件で、弁護団の弘中弁護士の事務所が提供したパソコンに限り、平日午前9時~午後5時に、事務所内で使用できることになっていた。逃亡後、地検は任意提出を求めたが弁護団は拒否。8日には裁判所の令状を取得し、差し押さえに向かったが、弁護団は刑事訴訟法の「押収拒絶権」に基づいて拒否していた。
ゴーン被告逃亡後、弁護団は「現時点では自主的に日本に帰る見込みはない」という考えを表明し、弘中弁護士らは今月16日にゴーン元会長の弁護人を辞任。
関係者によると、ゴーン被告は昨年12月29日午後2時半頃、保釈中の住居だった東京・麻布の住宅を1人で出て、六本木の高級ホテルで男3人と合流。このうち2人の男と新幹線で大阪に向かった。その後、関西空港発のプライベートジェットに積み込まれた箱に隠れて出国し、トルコ経由でレバノンに入国したとされている。
東京地検は29日の捜索で関係する資料などを押収し、逃亡に至る経緯について解明を進めるものとみられる。
ページ: 1 2