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J2、J3開幕間近。昇格争いに影響する「遅れてきた」移籍選手情報

J1勢はすでにカップ戦がスタートし、ルヴァン杯に出場する松本を除くJ2勢は2月23日、J3は3月7日に開幕する2020シーズンのJリーグ。今シーズンの陣容はほぼ固まっていると思いきや、2月も10日を過ぎて新加入選手を発表するJ2、J3チームが目立っています。サッカー情報で人気のメルマガ『J3+ (メルマ)』では、昇格争いに影響を及ぼす可能性がある「遅れてきた」注目の移籍選手たちを紹介しています。

山形が獲得したストライカー、松本は外国人2人

J1ではDF昌子(G大阪)やDFデン(浦和)やGKカタンマサッチャーナン(札幌)などが「移籍市場のピークの時期を過ぎた後に電撃的に加入が決まった選手」になる。今シーズンのJ1の勢力図を大きく塗り替える可能性もあるので複雑に感じるところもあるが、J2ではFWヴィニシウス・アラウージョ(アヴァイFC→山形)の加入はJ2の昇格争いに大きな影響をもたらす可能性がある。山形はFWジェフェルソン・バイアーノが抜けてフォワードが手薄だったので「CFの獲得に動くこと」は考えられたがハイスペックな選手を獲得した。

スピードがあってテクニックがあってシュート技術も高い選手なので「山形に必要なタイプの選手を手に入れることが出来た」と言える。山形は昨オフに監督が交代しており、かつ、働き盛りの年齢の選手が多い。「主力の大量流出」もあり得たが主力で流出したのはMF坂元(→C大阪)くらいである。期限付き移籍だったMF柳も抜けているがGK櫛引やDF熊本やMF三鬼やMF山岸祐などは残留。FWヴィニシウス・アラウージョを獲得したことで戦力は充実した。15ゴール程度は期待できる選手なので大きな補強が出来た。

松本山雅は1月29日(水)にMFアウグスト(シャペコエンセ)とMFアルヴァロ・ロドリゲス(山形)の獲得を発表した。どちらも早くからキャンプに参加しており、「いつ正式に加入が発表されても不思議はない」という状態がずっと続いていたが1月末についに加入が発表された。MFアウグストはボランチで起用されると思うが総合力の高い選手である。オールラウンドな選手なので主力として起用されたら年間で5点くらいは決めるのではないか?と思われる。ゴール前に出ていく力を持った「box-to-box型のボランチ」である。

異色の経歴、MF古賀俊が山口入り

山口は2月10日(月)にベテランのMF武岡(甲府)と若手のMF古賀俊(FKアウダ)の獲得を発表した。両選手ともキャンプには参加していたと思うが「練習生として参加させて状態や能力を確認してから獲得にGoサインが出た」と思われる。MF古賀俊は異色の経歴を持っている。中学までは東京Vの下部組織だったが高校年代はレスターのユースになる。まだ21歳なのでノビシロもありそうだ。海外でプレーしていたが霜田監督は日本サッカー協会にいたので「そういう選手がいる」ということは情報として持っていたと思われる。

またしても「霜田監督の人脈を生かした補強」になるが年齢が上がるにつれて日本人が海外でプレーし続けるのは難しくなる。慣れた環境である日本に戻ってきて再チャレンジするのも全く悪くない話である。「逆輸入選手がJリーグで活躍する確率」は決して高くないがFW河田(徳島)やDF西谷優(栃木SC)など成功例もいくつかある。15歳のときに日本を飛び出しているので日本復帰ならびに山口入りに対しては「相当な覚悟」が必要だったと思うが海外でいい経験を積んでいたことをJ2のピッチで証明したいところである。

2月に入って外国籍選手獲得の愛媛と水戸

MF神谷とMF近藤貴とMF下川陽が抜けたものの穴を埋める補強があまり出来なかった愛媛FCは2月7日(金)にスペイン人のMFシシーニョ(徳島)の獲得を発表した。2017年はFC岐阜、2018年は徳島で主力として活躍した実績がある。2019年は怪我の影響でわずか1試合の出場のみ。徳島との契約が満了になったがライバルの愛媛FCに加入することになった。徳島と愛媛FCの両方でプレーした経験のあるJリーガーはそこまで多くないと思うが近年ではMF小島秀(千葉)やMF小暮(愛媛FC)やMF表原(徳島)などがいる。

愛媛FCのようなクラブにとってMFシシーニョの獲得はギャンブルである。選手をたくさん抱える余裕のないクラブなので「能力的には少し劣っていてもタフで元気な選手」が重宝される。逆に「能力は高いが怪我がちで計算しにくい選手」は敬遠されがちである。リスク覚悟で後者の選手を格安価格で獲得するのもある程度は必要と言えるがなかなか難しい。彼も練習に参加して状態をチェックした上で本契約になっていると思うが「大きな賭け」である。2017年や2018年のような活躍が出来ると愛媛FCは面白いチームになる。

FW中山仁、FW村田航、FW山谷がいるものの、やはり、フォワードが手薄だった水戸は2月13日(木)にFWアレフ・ピットブル(ベルソSC)を獲得した。180センチのストライカー。動画を見る限りでは「ゴール前で仕事が出来る典型的なストライカー」である。パワフルな選手なのでいい選手を獲得できたと言える。登録名は「アレフ・ピットブル」になったがオウム真理教の起こした騒動から25年ほどが経過しているので「アレフ」と聞いてオウム真理教を思い出す人はそこまで多くないのだろう。「ピットブル」という登録名でも良かったように感じる。

神奈川県2部リーグから熊本へ

J3では降格組の鹿児島が右SBのDFフォゲッチ(FCカスカベウ)を獲得した。鹿児島はSBが充実しており、右SBはDF酒本、DF藤澤、DF田中奏、DF藤原広がいる。左SBはDF砂森がいて、DF藤澤もプレー可能なので、「左右のSBはJ3レベルで考えると質的にも量的にも十分」に思えるがさらなる補強を行った。年代別のブラジル代表を経験している選手なので能力の高い選手である。攻撃的なプレーヤーなので金鍾成監督のサッカーにはまる可能性はある。今シーズンの鹿児島は右SBの争いが大きな注目点になるだろう。

鳥取はMFハモン(FC琉球)を獲得した。こちらも年代別のブラジル代表を経験しており、昨夏にFC琉球に加入している。「才能の片鱗を見せた程度」にとどまったがテクニックがあってアイディアも持った選手なので鳥取は面白い補強が出来たと言える。FWヴィートル・ガブリエルが抜けたがFWフェルナンジーニョとMFハモンとFWジョアンデルソンの3人を中心とした攻撃陣は強力である。MFハモンがうまくはまるようだとJ2復帰も十分に考えられる。今年のJ3は戦力的に抜けたチームがないので鳥取にもチャンスはある。

J3で2年目となる熊本はMF相澤(鎌倉インターナショナルFC)を獲得した。流通経済大を卒業してオーストラリアのチームでプレーしていたが神奈川県の2部リーグに所属する鎌倉インターナショナルFCというクラブに加入。熊本入りを果たした。流通経済大柏高→流通経済大という経歴なので「埋もれていた選手」というわけではないが夢のある話になる。「紙一重のところで高校や大学を卒業するときにはプロ(Jリーガー)になれなかった選手」はたくさんいるだろう。MF相澤のような選手がJ3で活躍するようだと本当に面白い。

image by: shutterstock

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