上の子かわいくない症候群に悩む母親がそれを乗り切った方法は

 

実は、クッキー&クリームさんは、もともと長男さんの子育てに強いストレスを感じていたのだそうです。それは長男さんが生まれて間もないころから感じていて「母乳育児をしたい」と考えていたお母さんに対して、母乳が充分に出なかったこともあり、おっぱいを上げようとすると嫌がって泣き、そのうち、お母さんが抱き上げようとするだけで、海老反りになって泣くようになってしまったそうです。

それでもクッキー&クリームさんには母乳にこだわっていて、当時を考えると「母乳神話に取りつかれていた」と言われています。ミルク以外に泣き止ませる方法がない自分に「母親失格だ」と感じるようになり、長男さんと一緒にいることが辛く感じてしまうようになったそうです。

又、長男さんには小児喘息もあり、毎月熱を出して、肺炎になって入院したことも何度かあったそうです。熱を出すと泣き叫び、一日中抱っこして、看病でヘトヘト。

そんな中で長男さんのよりどころはお父さん。「パパ大好き。ママは大好きじゃない。」なんて言われたり、ワガママを言って泣き止まない長男さんを怒鳴りつけてしまったり、そんな長男さんの寝顔を見て、夜中に泣いたり…。

その長男さんの後に生まれた次男さん。次男さんは食物アレルギーがあったものの、長男さんよりずっと育てやすい、とお感じになったそうなのですね。
その時、私はこんなお返事をしました。

クッキー&クリームさん、おはようございます。パピーいしがみです。メール拝見しました。

 

まず、長男さんのことを「心から愛せない」と感じ、今、ご自身を責めておられるようです。でも、この悩みをお持ちの方はとても多くいらっしゃいます。「どうして、上の子をかわいいと思えないんだろう?」「相性が悪い、という事なんだろうか…?」とお悩みになります。

 

でも、違うんですね。上の子はかわいいと思えない。それには理由があります。大きな理由は、初めての子どもは、親にとっても初めてだらけだからです。今回、頂いたメールにもこう書かれていましたね。

 

“生後1ヶ月ごろ、長男は「哺乳混乱」を起こしました。出の悪いおっぱいよりも哺乳瓶が好きになってしまったのです。そのうちに私が抱き上げるだけで、海老反りになって泣くようになりました。ミルク以外に長男を泣き止ませる方法がない私は、母親失格だと感じるようになりました。母乳マッサージに通うなどして、何とか乳児期を乗り越えましたが、長男と一緒にいる時間が辛かったです”

 

確かに母乳は、赤ちゃんにとって、最高の栄養源となります。でも病院で母乳の代わりとして何のためらいもなくミルクを与えてくれたように、ミルクも、すばらしい栄養源であり、母乳の代用として充分です。ですが、クッキー&クリームさんとしては、「母乳が最高なんだから」と、きっと「おっぱいを吸ってほしい」という気持ちが強かったのでしょう。

 

おっぱいを吸ってくれない長男さん。海老反りになって嫌がる長男さんに対して「どうして、おっぱいを飲んでくれないの?」というジレンマやイライラを感じたと思います。

 

このように「自分の思うようにならない」という気持ちも、かわいいと思えなくなる要因なんですね。「母乳で育てたい」という強い気持ちがあり、その思いを頑なに拒否をする子供…。そうなれば嫌悪感を抱かざるを得ません。

 

そう。クッキー&クリームさんにとって、長男さんの「おっぱいを飲んでくれない」が、一番最初の「自分の思うようにならない」ことだったんですね。

 

その後も「自分の思うようにならない」は沢山ありましたね。「看病でヘトヘトでした。ワガママを言って泣き止まない…」。他にもありますよね。「パパ大好き。ママは大好きじゃない。」の言葉。そして、赤ちゃん返り、チック、行事に参加できない…。さまざまなクッキー&クリームさんの「自分の思うようにならない」が、次から次から起きていますよね。そうなると当然「可愛くない」が強くなっていくのです。

 

では、なぜ、下の子は、かわいいと思えるのでしょうか?

 

実は、私達は、先に起きたことを基準として捕らえます。先に起きたことを基準として、次に起きた場合に、それより上か下か、子育てで言えば、より手がかかるか、それとも楽になったか?という判断を無意識でするのです。

 

親も2回目になっていれば、要領がつかめているので、もし、上の子と同じような事が起きたとしても、親の印象は「楽」に感じます。また、一度経験もしているので、予測がつきやすく親としては「比較的思い通りになる」「育てやすい」という印象を持つのですね。そして、上の子よりも、もし扱いやすかったりすれば、後で生まれた子はとても「育てやすい良い子」として、認識されるのです。

 

この話をして、ご自分の考え方を変えて、先入観を無くして接することで、「可愛くない」と思っていた子が、「可愛い!」と思えるようになった、険悪な関係だったのが、非常に良い関係になった、という例は、本当にたくさんあるのですが、このお話、クッキー&クリームさんはどう思われましたか?

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