すべてはゴール、リザルト、結果、結論の為
たまに飲む缶コーヒー、その一場面を見て、100%正しいコンディション「缶コーヒーはコーラより糖分高い」を声高々に叫ばれても。なんの為に、「缶コーヒーはコーラより糖分高い」という情報を仕入れるのか。なんの為に、「RとLの発音」をマスターするのか。なんの為に、「最新のアプリを駆使して読みやすいレポート」を作るのか。
すべては求めているゴール、リザルト、結果、結論の為です。健康に生きる為、外国人とコミュニケーションする為、ニューヨーク進出事業を成功させる為、のはずです。いつの間にかありがたい情報を仕入れることが、thの発音をマスターすることが、会議で「ウイン-ウイン」というセリフを連発することが、それ自体が目的になっているように見えなくもない。パーティーに参加して、偉い人たちの名刺を集めては自慢する同僚は、最後までその偉い人たちに、顔すら覚えてもらえずじまいでした。
経済的に裕福になる、が最終目標なら宝くじで当選すれば達成なはずです。絶対そうなはずです。でも、その可能性が低いから一生懸命働かなきゃいけない。弁護士になるのが夢ならば、まずは司法試験を受ける。合格すればラッキーだ。でも、心配しなくても簡単には合格しないから、何が足りなかったのか、把握した上で一生懸命試験勉強をする。
一般的に先にコンディション(過程)があって、その延長線上にリザルト(結果)があるように思えますが、逆だとそろそろ気付いた方がいい。たどり着く最短距離は、まずリザルト(結果)があって、その延長線上にコンディション(条件)がある。
ニューヨーカーは、やたら焦って結果を求めます。悠長に何度も何度も会議をしない。結果が出なければ、それにフォーカスして会議をする。まずは白か黒かとりあえず判定する。
以前、弊社編集部のデザイナー二人に、書店で見かけたデザイン系の雑誌、というかムック本を手渡しました。「テキスタイルについて、すごく参考になることが書いてある。こことここのページを週明けまでに読んでいて欲しい。なるべく早めにマスターしておいて」と。一人は、横浜出身の女の子。一人はドイツ出身のニューヨーカー。
ありがとうございます、と横浜の方は、せっかく社長に頂いた本と、キレイにそのページに折り目をつけ、冒頭の「はじめに」から読み始めました。オーケー!ボス!とニューヨーカーの方は、そのページをビリビリ破って、ファイルに入れ、残りをゴミ箱に捨て、ウインクしてきました。
うーーーん、どっちも嫌だけど。ビジネス上選ぶなら、破った方。(いや、せっかく社長からのギフト、いらないページとはいえ、捨てるか?フツー、と思わないでもないけど)。週明け、完璧にマスターしてきたのも、彼の方でした。
image by: Luciano Mortula – LGM / shutterstock