新型コロナ治療で富士フイルムの「アビガン」に有効性を確認

2020.03.19
by tututu
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新型コロナウイルスの治療薬として、富士フイルムのグループ会社が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」が有効となりそうだ。中国科学技術省が17日に開いた記者会見で、新型コロナウイルス感染患者の治療薬として、アビガンの有効性を臨床試験で確認したことを明らかにしたと時事通信が伝えている。重症化を防ぐ治療薬のひとつとして、政府の診療指針に正式に採用する方針だ。アビガンは日本でも先月から患者への投与が始まっている。

アビガンが新型コロナに有効性

新型コロナウイルスをめぐり国内の2つの医療機関が行った臨床研究の結果、富士フイルムのグループ会社が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」、一般名「ファビピラビル」に治療効果が認められた。

NHKによると、湖北省武漢の医療機関が行った患者240人を対象にした臨床研究では、アビガンを投与した場合は熱が下がるまでの平均日数が2.5日で、投与しなかった場合の4.2日よりも短かったとという。また、せきの症状が早い段階で緩和されることもわかった。

一方、広東省深センの医療機関が行った患者80人を対象にした臨床研究では、アビガンを投与した患者ではウイルス検査の結果が陽性から陰性になる日数の中央値が4日だったのに対し、投与しなかった患者では11日だったという。

アビガンの有効成分「ファビピラビル」に関するライセンス契約を富士フイルムと2016年に結んだ中国の製薬大手・浙江海正薬業が、後発医薬品を量産する方針。同社は先月、中国国家薬品監督管理局から認可を取得している。

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