ニューヨークタイムズも伝えた日本のコント王・志村けんさんの死

 

僕個人は、仕事柄、まだネットニュースに流れる前に、通信社から速報が来て知りました。妻共々、固まりました。僕たちの世代で、影響を受けていない男は皆無、だと思います。

常日頃から、志村けんと、ジャッキー・チェンと、金八先生は、亡くなった後に、「そーいえば、自分で思ってたより、大好きだったな」と悲しむ人が続出するのではないか、と思っていました。

人生で初めて、呼吸が出来ないほど笑わせてくれたのは、いとこのこうちゃんか、幼なじみのタクヤか、志村さんでした。東村山の存在も、教会のゴスペルミュージックも、志村さんが教えてくれました。カエルぴょこぴょこも。

志村さんを嫌いという人間に僕は会ったことがない。一度でいいから単独インタビューしたかった。

過去日米のトップランナー1000人に単独インタビューした僕は、「死ぬまでに絶対にガチりたいリスト」を誰にも見せず作成していました。仕事的にでも、読者の為にでもない、個人的に単独取材したいリストです。そこには最初17名が名前を連ねていました。一人ずつ実現していき、その都度リストの名前を塗りつぶしていました。残りは7名でした。もちろん志村さんはその7名に入れさせて頂いていました。初めてかもしれません。インタビューできないまま、もう塗り潰せなくなった人は。心より、残念です。心より、ご冥福をお祈りいたします。

そっか…うちの子供たちは、志村けんという笑いの神様を知らないまま、育つんだ…。それって、大丈夫なのかな、人として。コロナ、とんでもない日本の財産を連れ去っちゃてくれたな、おい。悪いが、日本じゃ、おまえらの好きにはもう拡散できないよ、稀代のスーパースターの死は絶大な教訓になる。

どうぞ、日本のみなさん、不用意に出歩かないでください。頭の良い人たちがネット上で「逆張り」したところで、今回は、貿易摩擦問題でも、サッカーのワールドカップ予選の戦略についてでもない。それであれば、それらをまるで自分の意見のように錯覚して仲間内で居酒屋で語っても問題ないけれど、今回の相手は、人が人を感染させるウイルス。自分だけの問題ではない。

もし今、最小限に防げたら。時が経ち、あの時、志村さんが日本の危機を救ってくれた、と必ず、なる。日本史上最高のコメディアンが最期、日本国全体を笑顔にしてくれた、と。

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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