あの読売がメルヘン調に。各紙の定番コラムが報じた「外出自粛」

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7都府県に緊急事態宣言が発出され、人との接触を極力8割減らすために一層の「外出自粛」が求められています。その影響は、新聞各紙の定番コラム筆者にも及んでいるようで、テレビ会議や休校中のリモート授業など、そろって「外出自粛」周辺の話題を取り上げています。紹介するのは、メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』の著者で、ジャーナリストの内田誠さん。読売新聞コラムの意外なメルヘン調に、人が弱気になる様を見るなど、感じるところを綴っています。

各紙の見出しラインナップ

◆1面トップの見出しから……。
《朝日》…「休業の損失 国が補償を」
《読売》…休業要請 調整難航
《毎日》…手探り コロナ緊急事態
《東京》…保育園休園 戸惑い

◆解説面の見出しから……。
《朝日》…休業要請 足踏み3日
《読売》…都、休業「大きく網」
《毎日》…学校再開 揺れる判断
《東京》…武漢封鎖解除 警戒は解かず

◆プロフィール
■ウェブ会議■《朝日》
■眠眠…じゃなくて休眠打破■《読売》
■オンライン授業の可能性■《毎日》
■故郷は遠きにありて…■《東京》

ウェブ会議

【朝日】の「天声人語」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ヘッドホンや家庭用プリンターの売れ行きが好調ななか、最も売れているのが「ウェブ会議用の小型カメラ」という話から。「どんなに働き方が進化しても、1人の知恵には限界」があるので、「会議」というものがなくなることはないと断言。それに、今回のことをきっかけにして、「テレワークの世界的潮流が元に戻ることはあるまい」という。その頃には「会議」の名称も変わり、「遠議」とか「隔議」と呼ばれるようになるかもしれないと。

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そんなにウェブカメラが売れているとは。私の自宅パソコンを含め、デスクトップだろうがノートだろうが、予め上端中央にカメラが装着されているものが多いのだが、ウェブ会議となるともうちょっと別のものが必要になるのだろうか。私の場合、NSAに盗み見されたくないので、カメラはガムテープで封印しており、最初からないようなものだが(あのエドワード・スノーデン氏もそうしているはず)。

眠眠…じゃなくて休眠打破

【読売】の「編集手帳」。手帳子は自宅でコラムを書くようになって3週目になるのだという。出社しないでもとりあえずは仕事になるコラム担当などは、どんどん在宅勤務化していることが想像される。

コラムの書き出しは、ある日、タクシーのなかで同乗していた若手の同僚が『眠眠打破』のコマーシャルに気付いたことから。若い記者は『眠眠打破』を「小学校の時に習った」と、変なことを言い出したという。しかし、誰もそれを訂正できなかった。その後、子どもの頃に習ったのは「休眠打破」で、これは、植物の花芽が寒い時期を眠った状態で過ごす「休眠」を、春になって「打破」して目覚めることを意味する言葉だったという。

自宅の窓を開けた編集子は、「そよ風が吹き込み、草木の香気をうっすらと感じた」。読者には「不要不急の外出を控えることには、運動不足やストレスの蓄積など“副作用”がある。適度に体を動かしていますか」と。専門家の間には、新型コロナウイルスは「暑気に強くないのではとの期待がある」として、「眠ってくれないか」と。

uttiiの眼

知らなかった。「眠眠打破」はナンチャッテ中国語だと、ずっと思ってきたのだ。この種のドリンク剤の場合、有効成分はカフェインで、飲めば眠気が覚めるというのが“売り”。ウイルスには「眠眠打破」も「休眠打破」も止めてもらい、サッサと眠り込んでくれよと願うのは、ちょっと《読売》らしくないメルヘンの世界。実際には「3密」を避け、人との物理的な距離を確保して家に引きこもることが蔓延を阻止する唯一の方策なのだろう。仕方がないとはいえ、しんどい話です。

それでも、もし、近くにあまり人が行かないような里山がある方は、是非訪れてみて下さい。ストレスを解消するだけでなく、何かを発見するチャンスかも。

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