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年金の受給開始年齢が75歳に?コロナ状況下で法案審議入りへ

7都府県に緊急事態宣言が出される中、ある法案が衆院本会議で審議入りすることになるという。朝日新聞によると、年金を受け取り始める年齢を75歳まで繰り下げ可能にするための年金改革関連法案が、14日の衆院本会議で審議入りすることになった。所管するのは、新型コロナウイルスの対応に追われている厚生労働省。緊急事態の状況下で先送りしないことに、今後議論を呼びそうだ。

75歳からの年金受給

現在、公的年金の支給開始は65歳を基本にして、60歳から70歳まで選ぶことができる。その上限を75歳まで引き上げようというのが、今回の法案だ。高齢者の就業を促進するため、75歳から年金を受け取り始めると、毎月の年金額が増えるという仕組みに見直す。

具体的には、受け取り開始年齢を1カ月遅らせるごとに年間の受給額は0.7%増える。75歳まで遅らせた場合、65歳開始の人に比べて毎月の年金額が84%増えるという。

また、働く高齢者に年金の一部を減らす「在職老齢年金」も同時に見直す。60~64歳の場合、現行では賃金と年金の合計額が月28万円を超えると年金が減るが、この基準を月47万円に引き上げる。働くほど年金が減る仕組みが高齢期の就業意欲を阻害しているとの指摘があるためだ。

 

では、従来通り65歳から年金を受け取った場合と、今回の法案となる75歳から年金を受け取った場合、どちらが多く受給できるのか? 計算していくと、その2つの年齢で受け取った年金が同じ額になるのは86歳。つまり、86歳以上生きれば、75歳から受給した人がお得になり、それより前に亡くなってしまうと、65歳からの支給を選択した人が得をすることになる。参考までに、日本人の平均寿命は、男性が81歳で女性は87歳。各人の選択が迫られることになる。

支給年齢75歳は得をするのか? 

年金制度の改革法案の主な狙いは、高齢者の就業を促進するため。75歳から年金を受け取り始めると、毎月の年金額が増えるという仕組みに見直す。この法案が閣議決定されたのは先月3日。厚生労働省の省内では、法案の審議を先送りすることで、国会対応に割く人員を新型コロナ対策に振り向けるべきだとの意見もあったという。

緊急事態宣言が出される中での審議入りに、ネット上では様々な声が上がっている。ただ、受給年齢を75歳に強制的に先延ばしされると勘違いをしている人もいるようで、受け取る年齢が75歳まで選べることになるというのが、今回の法改正だ。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 朝日新聞日本経済新聞

image by: shutterstock

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