税金先取りで年末に調整する国が支援金先払いで調整しない不合理

 

そもそも我々の納税スタイルは確定申告をする個人事業主以外は基本的に先払いである。給与明細を見れば分かる通り、毎月の給料から天引きされその誤差は年末に調整される(年2000万円超の給与所得者は申告)という仕組みである。この煩雑さを普段煩雑と言わない政府なら、コロナ関連の各種支援金も取り敢えず先払いし後で調整すればいいだけのことだと思うのだが、どうか。

先のERの喩えを思い出してほしい。まずは死なせないことである。生きてもらうことである。その後の問題は、その後に解決すればいいだけのことである。全ては元気になってからのことである。

仮にこのまま官権が法制だの前例だのと言い訳している間に多くの業が潰えてしまうようなことになれば、そちらの事後処理の方が余程大変である。何故なら、死体を相手の処理となるからだ。そこには夢も希望もない。やる方もつらいに違いない。

今ならまだ間に合う。官権は民権を恐れるべきだ。そしてその恐れ故に命令し、それ相応の保障をすべきなのである。誰も命令しない、指示も出さない、ただただお願いするだけの政府なら町内会と変わらない。

我々は税を納めることで政府に信頼を示している。政府は今こそその信頼に応える時である。そして、一生のうち一度くらいはこう言いたい。「ああ、税金を納めて来て本当によかった」と。決してぜいたくな願いではない筈である。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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