時事通信によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国の習近平国家主席に対し、新型コロナウイルスの感染対策を称賛する「口頭親書」を送ったことを朝鮮中央通信が伝えた。新型コロナウイルスの影響で中朝間の貿易が大幅に落ち込んでいることから、北朝鮮は中国からの支援に期待を寄せているとみられている。
中国主席のコロナ対策称賛 北朝鮮の金正恩氏が「口頭親書」 https://t.co/P6vWVv04W8
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) May 7, 2020
金委員長が中国を称賛
重体説や死亡説が出ていた金正恩委員長が、経済的困窮を打破するために動いたようだ。
現地の報道によると、新型コロナウイルスについて「習主席が中国の党と人民を指導し、前代未聞の伝染病との戦争で勝機をつかみ、全般的な局面を戦略的に管理している。自分のことのようにうれしく思う」などとして、金委員長が中国を称えたとNHKが伝えている。
続けて、「両国の関係は日増しに緊密になっており、さらに健全に発展している」とし、中朝の友好関係を強調したとしている。
北朝鮮は新型コロナウイルス感染者がゼロと主張。その一方で、2万5000人以上が隔離されているとも言われ、実態は明らかになっていない。
しかし、感染者の流入を防ぐための水際対策は早くから行っていて、中国からの観光客の受け入れを1月22日までに全面停止している。それから3か月あまりに渡り、中国との間を結ぶ列車や航空便を停止していて、物流が滞り、中朝間の貿易が大幅に落ち込んでいる。
北朝鮮にとって、中国は最大の支援国。経済的にひっ迫していく中、中国からの援助に期待を寄せているものとみられている。