時事通信によると、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が11日、中国が新型コロナウイルスのワクチンや治療薬に関する研究データを盗もうとサイバー攻撃を仕掛けているとして、米政府が近く警告を発する準備を進めていると報じたとしている。
サイバー攻撃、中国に警告へ 「ワクチン研究窃取狙う」―米 https://t.co/8QDHuJPDZ1
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) May 11, 2020
サイバー攻撃で対立する米中
米政府や民間企業が新型コロナウイルスのワクチン開発を進める中、その研究データを狙ったサイバー攻撃。新型コロナウイルスの対応を巡り、米中関係の悪化がさらに進みそうだ。
米連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省は近く発表するサイバー警報草案で、「(中国政府が関与するハッキングチームは)違法な手段を通じ、ワクチンや治療、検査に関する価値ある知的財産やデータを得ようとしている」と批判。サイバー攻撃に加え、中国が自国出身留学生と教授・研究員を動員してワクチン・治療剤開発情報を盗み出そうと努めているという。
これに対し、中国外務省の趙立堅報道官は、「中国はすべてのサイバー攻撃に断固として反対する」と述べ、この疑惑を否定したとAFP通信は伝えている。
トランプ大統領は6日の記者会見で、「米国が経験した最悪の攻撃だ。真珠湾や9.11の同時多発テロよりひどい」「起こるべきではなかった。中国で止められたはずだった。発生源で止めるべきだった」などと述べ、中国を非難していた。今回準備している措置の背景には、新型コロナウイルス感染拡大の責任は中国にあるということを強調するものとみられ、より一層の関係悪化が懸念されている。