隣国に端を発した新型コロナウイルスによる感染症を、迅速かつ的確な対策で早期封じ込めに成功した台湾。今、そんな台湾に対する各国の評価が急上昇しています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国から台湾へとシフトを変化させつつある各国の動きを紹介するとともに、中国と台湾、そして世界の今後の関係についても考察しています。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年5月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
【台湾】中国から台湾に逃げてくる動きが加速
● 台湾製の防疫物資に数十カ国から問い合わせ 質の高さに関心集まる
台湾の防疫物資は、品質が高いことから世界各国の関心が集まっているようです。報道によれば、カナダなど諸外国の行政機関や民間機関から購入の問い合わせが寄せられているとのこと。このメルマガでも書きましたが、世界が防疫物資の不足に直面しているのに付け込んで、不良品マスクを世界に拡散している中国とは対照的です。
● 中国の「不良品マスク」輸出に世界が激怒。コロナで金儲けの何様
新型コロナの対処をめぐっては、台湾政府の対策が実に迅速で的確なものだったことから、世界での注目を引くこととなりました。そして、台湾のWHOの総会への参加を後押しする国がだんだんと増えてきました。もともとアメリカは台湾の参加を促していましたが、それに加えて日本もそのうちの一つです。報道によれば、「日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は11日から、関連の投稿をフェイスブックに行っている。総会が開催される18日まで毎日、投稿を続ける方針」だそうです。
● 日本の対台湾窓口、台湾のWHO総会参加を支持 SNSに毎日投稿
さらに、台湾がコロナの封じ込めに成功したことが影響しているかどうかは直接報道されていませんが、台湾のビジネス投資環境が世界第3位だと報じられました。以下、報道を引用します。
ビジネス環境を調査する米企業、ビジネス・エンバイロメント・リスク・インテリジェンス(BERI)の投資環境に関する最新の報告書で、台湾は対象となった世界50カ国で3番目に投資リスクが低いとされた。1位はスイス、2位はノルウェーで、台湾の順位はアジアでトップだった。
調査は対象国の「事業運営リスク」、「政治リスク」、「為替リスク」の3大指標に基づいて投資収益機会を比較したもので、台湾はそれぞれ、60点(世界3位)、46点(同13位)、77点(同1位)だった。全体では61点で、「投資家に投資拡大を勧められる」と評価された。
● 台湾の投資環境、世界3位=前回より順位上昇、アジアトップ
また、アジアでは韓国とシンガポールが同点で5位、日本が11位、中国が23位だったそうです。2020年1月の総統選挙以来、世界での台湾の評価はうなぎのぼりです。
さらに、台湾は混乱する香港を支持し続けており、香港で禁書を扱ったとして店長らが中国当局に一時拘束された書店「銅羅湾書店」が台湾で再開しました。この再開に対して、蔡総統が個人名義でお祝いの花を送ったほか、立法院長や民進党幹部もお祝いに駆けつけました。
また、香港の実力派俳優のアンソニー・ウォン(黄秋生)氏は、台湾籍の取得に向けて準備をしていると公表しました。すでに本人は台湾入りしているようです。
● 香港俳優アンソニー・ウォンさん、台湾の国籍取得「準備中」 すでに入境
このように、台湾は政治、経済、文化の各分野で、幅広く門戸を開いており、その自由な空気に世界が注目しはじめています。台湾は九州ほどの小さな島ですが、米中露といった大国が世界での影響力を弱めている一方で、台湾のような小国が世界をリードしていく時代がくるかもしれません。
武漢発パンデミックも、いよいよ終息に向かいつつあるように見えますが、韓国や中国では二次感染が起こっています。私は、このコロナ休みの間、様々なことを熟考し続けています。
台湾と中国との関係は、今後どんどん変わっていくでしょう。中国人にとっては、嘘つきも裏切りも美徳です。むしろ、日本人のようにバカ正直に人を信じることは危険です。信じるという言葉は、死ぬと同じ意味だと言っても過言ではありません。
今後は、そんな独自の文化、文明を持つ中国が世界常識からだんだんと乖離していくのかもしれません。
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image by: 蔡英文 - Home | Facebook
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2020年4月配信分
- 世界からの賠償要求5500兆円!中国は破産するか/他国へも情報統制を求める中国の卑劣(4/30)
- 「アベノマスク」も被害。今度は不良品マスクを世界に拡散する中国/フルーツ天国・台湾は日本人がつくった(4/22)
- コロナ発生源の中国が今度は黒人に責任転嫁/台湾発「WHO can help?」が世界に問いかけること(4/16)
- もう国民が国内旅行を楽しむ台湾と、緊急事態宣言の日本(4/08)
- 台湾の民主化とともに歩んだ志村けんさん/死者数の嘘が暴かれ始めた中国(4/01)
2020年3月配信分
- 欧州の新型コロナ感染爆発は中国共産党員が原因だった/国内では隠蔽、海外では恩の押し売りを続ける中国(3/26)
- 習近平の「救世主化」と天皇利用への警戒/小国発展のバロメーターとなる台湾(3/18)
- 【台湾】新型コロナ対策で注目される台湾の若きIT大臣が日本に降臨!?(3/11)
- 新型コロナへの対処法は「中国断ち」をした台湾に学べ/新型肺炎の責任を日本に押し付けはじめた中国(3/05)
2020年2月配信分
- 『韓非子』の時代から何も変わっていない中国(2/26)
- 「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(2/19)
- 新型肺炎のどさくさで反体制派狩りをする習近平の姑息/戦後日本の軍事研究忌避が新型肺炎の感染拡大の一因(2/12)
- 新型肺炎が世界にとって思わぬプラスとなる可能性/疫病のみならず他国に厄災をばら撒く中国(2/05)
2020年1月配信分
- WHOを操る疫病発生地・中国の魂胆(1/29)
- 「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(1/22)
- 中国の目論見がことごとく外れた台湾総統選/ご都合主義の中国が民主主義と人類を危機に陥れる(1/15)
- 黄文雄メルマガスタッフの台湾選挙レポート(1/13)
- 文化が残らない中国の宿命/中華にはびこる黒道治国と台湾総統選挙を左右する「賭盤」(1/08)
- 謹賀新年のご挨拶―激動の年の幕開け(1/01)
2019年12月配信分
- 中国収容所から届く悲鳴(12/25)
- 連帯責任を取らせて孤立させる中国の卑劣/台湾総統選にカネで介入する中国(12/18)
- 竹のカーテンを引き始めた中国/台湾社会のダークサイド(12/11)
- 中国の仮想通貨支配は自己過信して自滅するパターン/台湾の真の危機を問う(12/04)
2019年11月配信分
- 香港人権法案の成立で何が起こるのか/台湾の選挙が危ない(11/28)
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- 中国では豚肉不足で暴動が発生?/香港警察の暴力がエスカレートしている理由(11/13)
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2019年10月配信分
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- いま中国で起きている「五独乱華」(10/02)
2019年9月配信分
- 小泉大臣は環境問題が中国の覇権争いに利用されないよう警戒せよ/台湾独立運動のゴッドファーザーへの哀悼(9/24)
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2019年8月配信分
- 「頭おかしい」と評された盧武鉉元大統領と同じ道を行く文在寅/アジアを席巻する台湾音楽、その礎をつくった日本(8/27)
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- 自分に不都合なことは相手のせいにして恥ない中華の特質(8/13)
- 国民感情に反した言動は処罰すると言い出した韓国政府の狂気/対立する世界と台湾総統選挙(8/06)