アメリカ中西部ミネソタ州から始まった抗議デモが激しさを増している。発端は25日、白人警官が黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)を逮捕する際に膝で首を地面に押し付け、男性がその後死亡した事件。暴徒化した一部の参加者による店舗の略奪や放火が繰り返され、各地で多くの逮捕者が出ている。平和的に始まったデモだったが、ここ数日間で暴力的な波となり、75都市に拡大していると時事通信が伝えている。
全米各地で警官隊と衝突 黒人拘束死のデモ、75都市に拡大 https://t.co/ZoLg24CEhP
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) June 1, 2020
75都市に拡大した抗議デモ
西部カリフォルニア州のロサンゼルスでは連日、店舗での略奪が横行。500人以上の逮捕者を出しているという。また、ニューヨークでは、マンハッタン中心部にあるタイムズスクエアなど複数の場所で抗議デモが行われた他、首都ワシントンのホワイトハウスの近くでは、デモ隊と警察が衝突し、警察が警告弾を使用するなどしている。ジョージア州アトランタでは、CNNテレビ本社が襲撃された。
Totally normal democracy.
Washington last night.#NoJusticeNoPeaceProsecuteThePolice#JusticeForGeorgeFloyd #BlackLivesMatter@Brittm_tvpic.twitter.com/KED4ZcJp8c
— redsarah99 #BlackLivesMatter 🖐️🌹 (@redsarah99) May 31, 2020
こうした事態を受け、少なくとも25の都市で夜間外出禁止令が出されているほか、10以上の州で、州兵が現場に出動。NHKによると、これだけ多くの都市で一斉に夜間外出禁止令が出されたのは、人種差別の撤廃を訴えたキング牧師が暗殺された1968年以来だという。
トランプ大統領は自身のツイッターで「軍への要請があれば速やかに派遣できる」と述べたが、この抗議デモからの暴動を受け、身の危険を守るため、地下壕に一時退避していたとCNNは伝えている。
Washington está que arde.
Queman bandera gringa en la capital. Cerca de la casa blanca, mientras Trump está escondido en un bunker..#BlackLivesMatter pic.twitter.com/5QV5TgwJVD
— aapayés (@aapayes) June 1, 2020
Twitterで声を上げる著名人たち
一方、有名人からはこのデモに対して多くの声が上がっている。人気ポップ歌手のテイラー・スウィフトさんは、抗議のデモ参加者への発砲を示唆したトランプ大統領を批判。「就任してからずっと白人優位主義と人種差別の火をたきつけてきた。厚かましくも道徳的優越感を装った後に暴力で脅すのか」とした上で、「私たちは11月に投票によってあなたを退陣させる」と述べている。
After stoking the fires of white supremacy and racism your entire presidency, you have the nerve to feign moral superiority before threatening violence? ‘When the looting starts the shooting starts’??? We will vote you out in November. @realdonaldtrump
— Taylor Swift (@taylorswift13) May 29, 2020
また、レディー・ガガさんは、自身のインスタグラムに長文の文章を投稿。「これは正義とは言えません。この国が長い間持ち続けてきた悲劇を意味します」とし、「今こそ変わるべき時です。このあしき慣習がなくなるまで互いに誠意を持ってこの問題を話し合い、心に刻むよう強く求めます」と呼びかけている。
— Lady Gaga (@ladygaga) May 31, 2020
NBAで一時代を築いたマイケル・ジョーダンさんも自身のツイッターを更新。「深く悲しみ、傷つき、率直に怒りを覚えている。多くの人が激しい怒りとともに不満を抱いていることも理解できる」との声明を発表するとともに、「不正には平和的手段で訴え続ける必要がある」とも呼び掛けた。
Statement from Michael Jordan: pic.twitter.com/lWkZOf1Tmr
— Jordan (@Jumpman23) May 31, 2020