マスメディアが伝えないビラの内容。金与正が激怒した本当の理由

 

今回の爆破の契機となった韓国から飛ばされたビラについてであるが、評論家各氏はビラの内容についてはあまり詳しく触れていないようだ。朝鮮半島の上空を飛び交ったビラを収集している私でも、今回、北朝鮮に飛ばされた何種類かのビラのうちの1枚にはくぎ付けとなった。

金正恩のプライベートに関するビラも北朝鮮側には衝撃的だったろうが、あるビラには金正恩を後ろから銃殺しているものがあった。このような北朝鮮の最高尊厳(金日成・金正日・金正恩)をパロディー化して非難、中傷する絵柄はたくさんあったが、相手を殺すような絵のビラはなかった。北朝鮮では最高尊厳を殺す絵など想像もできない。しかし、それが北朝鮮の各地に飛んで行ってしまい、少なからずの人がそのビラを見ているはずだ。金与正氏ならずとも皆驚いただろう。

韓国大邱でアジア大会が開かれたときの話だ。選手とともに参加していた北朝鮮の美女軍団が朝早くにジョギングか散歩をしていたときに雨に濡れている金正恩の顔写真が入った横断幕を見て、「偉大な指導者同志の写真が雨ざらしになっているとはどういうことか、早く、横断幕を取り外せ」と大騒ぎしたことがあった。最高尊厳は殺してはいけないのである。北朝鮮では我が身を犠牲にしてでも金日成・金正日の御真影は守らなければならいのである。(宮塚コリア研究所代表 宮塚利雄)

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