北朝鮮に戻った脱北者がコロナ感染。韓国に責任押しつけ戦略か?

2020.07.27
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by tututu
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新型コロナウイルスへの感染が疑われる脱北者が韓国から北朝鮮の南西部・開城(ケソン)へ戻ったとされる問題で、聯合ニュースは26日、「脱北者が軍事境界線を越えたことを確認した」とし、韓国当局が「京畿道金浦市在住の20代男性について調べを進めている」と報じた。

北朝鮮へ戻った脱北者が新型コロナに感染

南北境界に近い開城市で新型コロナウイルスの感染疑いが見つかり、北朝鮮は24日午後に同市を完全封鎖していた。

金正恩(キム・ジョンウン)委員長は開城地域の非常事態を宣言。「非常事態に直面した現実を厳重に受け止めなければならない。防疫危機を打開し、人民と祖国の安全を死守しよう」と呼びかけたと、26日付の日本経済新聞が報じている。新型コロナ感染者が発生した可能性を北朝鮮が認めるのは初めてだ。

当初韓国当局は、コロナ感染拡大の責任を韓国に転嫁する意図があるとし、北朝鮮の主張に否定的だった。しかし、調査の結果、3年前に泳いで韓国入りした20代の男性と連絡が取れておらず、この脱北した男性の可能性が高いと見られている。

コロナ感染者を初めて認めた金正恩委員長の狙いとは?

これまで北朝鮮は隔離者の存在は認めていたものの、新型コロナウイルス感染者はいないとしてきた。その主張を一転させるような今回の発表。この男性が本当に感染しているのかどうかはわからない。もしかしたら、感染はしていないが、脱北者のせいにすることで、すでに蔓延しているコロナ感染を韓国の責任として押し付けようとしているのかもしれない。

真意は定かではないが、金正恩委員長が何かしらの政治的意図でこの脱北者を利用しようとしていることは明らかだ。医療体制が脆弱な北朝鮮。これを機に、コロナ防疫が成功したと言われている韓国から、医療援助を得ようとしているのかもしれない。北朝鮮から今後どのようなメッセージが送られてくるかが注目される。

意外と多い、再び北朝鮮へ戻る脱北者たち

北朝鮮が新型コロナウイルス感染者の存在を認めたことも意外だったが、「脱北者が北朝鮮に再び戻った」ということに驚いた人もいるのではないだろうか。

北朝鮮における困窮した生活を捨て、危険な思いをしながら、命をかけて南を目指す脱北者たち。しかし、実はそこまでしてたどり着いた韓国から、再び北朝鮮へ戻るという脱北者は年に複数人いるという。理由は韓国で待ち受けている貧困と差別。脱北者たちにとって、必ずしも韓国での生活は幸せではないのだ。川を泳いで北朝鮮へ帰還する者もいれば、中国など第3国を経由して戻る脱北者もいるという。

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