死にたくなければ中国企業を切れ。それでも日本企業は中国を選ぶ

 

7月14日にはイギリス政府も、通信各社に対して、来年以降、ファーウェイの第5世代移動通信システム(5G)の購入を禁止すると発表し、すでに購入していた場合には、2027年までに撤去する必要があるとしました。

英政府、ファーウェイの5G設備の排除を指示 2027年までに

すでにオーストラリア政府は、ファーウェイの5Gからの締め出しを宣言しており、また、カナダやドイツでも同様のファーウェイ排除が進みつつあります。こうした西側諸国の動向からしても、日本だけがこの流れから外れるというのはありえないでしょう。

英国・カナダが脱ファーウェイ、容認から一転 NECらに好機

おそらく、今年の9月ごろにアメリカで開催されると思われるG7において、各国の中国排除の協調路線が打ち出されるのだと思います。

トランプ大統領はそのG7について、韓国やインド、ロシア、オーストラリア、ブラジルを招いてG12に拡大することを提案しています。これは明らかに中国包囲網の構築にほかなりません。

一方のイギリスは、G7に韓国、インド、オーストラリアを加えた10カ国の民主主義国からなる「D10クラブ」を結成し、次世代通信規格5Gにおいて、中国を除外したサプライチェーンを構築しようとしています。

英国がファーウェイ段階的禁止、10カ国の同盟形成へ

ことが安全保障に関することですから、いくら自国が中国企業の製品を使わないからといって、他国が使用していたら、そこから情報が漏れる可能性があるわけです。そう考えると、こうしたG12やD10の陣営に入るグループと、中国側の陣営に入るグループは、通信においても完全に分断されることになるでしょう。

G12やD10の陣営は、もう中国陣営の国とは通信網を繋げない、といったことも起こる可能性があります。つながっている限り、情報漏えいの危険性があるからです。そうなれば、世界は完全に分断され、両陣営が厚いカーテンで仕切られることになります。

問題は、中国のような一党独裁、情報統制、人権弾圧国家の側に行きたい国が本当にあるのかということです。

かつての東西冷戦の東側陣営には、たとえそれが欺瞞であったとしても、一応は、共産主義という大義名分がありました。

しかし、共産主義を捨てないといいながら、西側の資本主義や自由貿易の恩恵をタダ取りし、さらに人民の人権より共産党の安寧を最優先する国と、どのような大義名分を共有できるのか、きわめて疑問です。

これまで私がこのメルマガでも述べてきたように、習近平が掲げる「中国の夢」は「人類の悪夢」です。完全な監視社会、統制社会という点では、習近平や中国共産党はジョージ・オーウェルの小説『1984』に出てくる「ビッグブラザー」そのものです。

日本政府も日本企業も、もっと早く中国離れを加速させる必要があります。うかうかしていると、西側陣営から外される恐れがあります。今後の中国に、どのような夢があるというのでしょうか。その夢は、我々、民主主義国と共存できるものなのか。熟慮すべき時が来ているのだと思います。


 

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年7月22日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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