三浦春馬を誰が殺したか?“犯人”は今日もビールを旨そうに飲んでいる

20190829_三浦春馬在台灣與粉絲見面
 

日本中が驚愕した、人気俳優・三浦春馬さんの突然の自殺。その死の原因について、ニュースでは様々な憶測が報道されましたが、三浦さんを追い詰めた本当の理由とは何だったのでしょうか? 高齢者を専門とする精神科医にして映画監督でもある和田秀樹さんは、自身のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で、アルコールの摂取量が増えていたとする三浦さんの近況を紹介しつつ、自殺の原因となった「真の犯人」について言及しています。

三浦春馬さんを追い詰めた、アルコールと自殺の法則

三浦春馬さんが自殺したそうだ。(首をくくっているところを発見されたというのだから、かなり妥当な見解だろう)

2年くらい前から酒量がかなり増えてきていて、自暴自棄になっていたという証言もある。

だとすると、診断基準の上では、アルコール使用障害(アルコール依存症)にあてはまると思われる。

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実は、アルコール依存症による自殺は年間7000人程度と推定されている。

彼もその一人であった可能性は小さくない。少なくともマスコミで書かれているネットでの中傷や、あるいは、きまじめな性格のためにうつ病のような状態になっていたとしても、アルコールが自殺決行の契機になった可能性はかなり高い。

死にたいと思っている人が、アルコールを飲むと、本当に自殺行動をとってしまうというパターンは珍しいものではない。昔、新井将敬という有望な議員がある種の疑惑で逮捕許諾請求が出されていた際に、首つり自殺をした。この当時かなり落ち込んでいたようだが、ホテルのミニバーのアルコール類はすべて飲まれ、ウィスキーの空き瓶が散乱していたという。これが自殺決行のかなり典型的なパターンの一つだ。

肝機能障害なども含めると日本のアルコール関連死は、年間約5万人。コロナ死の比ではない。

日本がまともな国なら、死なずに済んだかもしれない

実は、WHOはアルコール依存症などによるアルコール関連死を減らすために、今から10年以上前の2010年5月に「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」というものを決議している。WHOによると、アルコールは若年死と身体障害を引き起こす世界3位の原因になっており、世界中で年間約250万人の命を奪っているとのことだ。日本ももちろんそれを認めているのだが、以降、各国政府にアルコールのマーケティングを規制するように要望も出している。それを先進国の中で唯一まったく無視しているのが、この日本だ。

酒の24時間販売や安売りが堂々と行われる。

海外に旅行したらわかることだが、夜の11時くらいからお酒は買えなくなる。24時間営業の巨大スーパーでも当然のことだ。

日本の場合、コロナの自粛で一人飲みを強要されているのに、コンビニで24時間酒が買える。

これでは飲酒に歯止めがかからない。

そこに追い打ちをかけるのが、アルコールの広告だ。

これもWHOの勧告もあって、海外ではまず飲酒をしているCMは見られない。日本のタバコのCMと同じく、イメージ広告か、せいぜい品物が映るだけだ。

しかし、日本の場合は、CM出稿数のベスト10のうち3社くらい酒の会社が入っている。

テレビ局の社員が自分たちの年収1500万円を守るためなら、毎年5万人死んでいてもWHOの勧告を平気で無視するからだ。

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