問題は自民の体質。杉田水脈議員の「差別発言」が止まらない理由

 

*2019年に入ると、自民党の他の議員の暴言によって杉田発言はむしろ目立たなくなる。

2019年5月22日付
麻生太郎「こどもを産まなかった方が問題」、塚田一郎国交副大臣「(道路事業で首相らの意向を)忖度した」、桜田義孝五輪相は自民党議員のパーティー席上で、「復興以上に大事」などと発言。自民党所属議員の失言が止まらない。

2019年7月13日付
参院選候補者へのアンケートで、同性婚の是非を尋ねた。回答した自民候補のうち反対派は36%。「賛成」もしくは「どちらかと言えば賛成」は併せて9%のみ。

*新たな「暴言」が浮上する。

2020年1月23日付
衆院代表質問で国民民主党の玉木雄一郎代表が選択的夫婦別姓に関する質問をした際、「それなら結婚しなくていい」という趣旨のヤジが飛んだとされる問題で、野党は衆院議院運営委員会で自民党の杉田水脈衆院議員の発言ではないかとして自民に確認を求めたと。

*この件で杉田議員は取材拒否。野党は議長に解明を要求。疑惑は高まったが、2月に入って「決着」する。

2020年2月5日付
衆院議院運営委員会の理事会で、発言者を特定せず、審議に影響す るような不規則発言は今後注意することで合意した。

*杉田氏は暴言とは別に、こんなところでも暴れている。

2020年3月3日付
政府が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、イベントの自粛を呼びかけているなか、2月25日夜には、西村康稔経済再生相、北村誠吾地方創生相、竹本直一科学技術担当相の3閣僚が、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員の政治資金パーティーに出席していたことが明らかに。

*そして今回の問題に直接つながる記事。

2020年8月20日付
ツイッターで自らを中傷する投稿に繰り返し「いいね」を押されて名誉を傷つけられたとして、性被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織氏(31歳)が、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員に220万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

*そして、9月25日、「女性はいくらでもウソを付く」発言

●uttiiの眼

議員になってからの3年を振り返るだけで、これだけの問題が噴出する議員も珍しい。同性カップルには「生産性がない」との発言、国会本会議場での「それなら結婚しなくていい」とのヤジ疑惑。そして元TBS社員で安倍氏に近い山口敬之氏から受けた性被害を訴え続ける伊藤詩織さんへの暴言を繰り返しリツイートした問題。

自民党内には批判する声もあるとは言え、基本的な支持層の中には伝統的な家族観から一歩も抜け出そうとしない保守層があり、杉田氏に重い処分も科さずに事実上放置している点からして、問題の根源は自民党の体質にこそあると言わなければならないだろう。攻撃されているのは、性的マイノリティーに止まらず、女性全般、そしてあらゆる社会的弱者だと理解しておく必要があると思われる。

image by:oasis2me / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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