問題は自民の体質。杉田水脈議員の「差別発言」が止まらない理由

 

2018年7月23日付
同性カップルには「生産性がない」との主張を含む月刊誌への寄稿が問題になる。

批判はLGBT当事者、野党の各党からだけでなく、与党・公明党からもあった。自民党内からは稲田朋美氏の「党の方針に反する」との批判があり、石破茂氏などからも「人の気持ちを傷つけて、平然としているような自民党であってほしいと思っていない」との批判的発言。三重県伊賀市の岡本市長は「時代錯誤も甚だしく、あり得ない発言」と。自民党の二階幹事長だけは「人それぞれの人生観がある」と擁護した。

*その後、自民党の谷川とむ議員が「(同性愛は)趣味みたいなもの」と発言して問題になる。

2018年8月2日付
杉田水脈議員に対し、自民党が「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として、杉田氏に今後注意するよう指導したとの党見解をホームページに掲載した。自民党が、議員の問題発言をめぐり、見解を公表するのは極めて異例だという。

*その後、安倍首相も杉田氏の発言に問題があるとの認識を示したりしたが、1人、二階幹事長だけは「こういうことはそんなに大げさに騒がないほうがいいんです。この程度の発言があったからと言って、帰国してからどうだってそんな話じゃありません」と訪問先の韓国で発言。LGBT団体の抗議活動が続き、抗議デモも起こるが自民党の甘い対応は、その本気度を疑われ続ける。抗議には障害者や難病患者も加わる。

*杉田発言に抗議して闘う必要があると考える人が増えてくる。

国文学研究資料館長のロバート・キャンベル東大名誉教授(60)は、ブログで自分が同性愛者であることを公表、「ふつうに『ここにいる』ことが言える社会になってほしい」と訴えた。杉田氏が、同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と書いていることについては、「歯牙(しが)にかけるにすら値しない」と一蹴。

*その後、杉田氏の寄稿を掲載した「新潮45」が「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」とする特集の形で反論を掲載。これに対しては新潮社内部や作家からも批判が巻き起こり、9月、書店の中には新潮社の本を棚から撤去する店も出てきた。そして…。

2018年9月22日付
新潮社社長は「ある部分に関しては、あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました」と、反論特集に対してコメント。

*このあと、新潮社を批判する内容の落書きが見つかる。本社のすぐ横に設置された新潮文庫の広告「Yonda?」のキャッチコピーに、「あのヘイト本、」の文字が書き加えられており、「あのヘイト本、Yonda(読んだ)?」と読めるようになっていた。

2018年9月25日付
同日、新潮社は「新潮45」の休刊を発表。

print
いま読まれてます

  • 問題は自民の体質。杉田水脈議員の「差別発言」が止まらない理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け