飯塚幸三「母子轢き殺し無罪」主張に怒りの声。無念の夫は厳罰を求めている

2020.10.08
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by gyouza(まぐまぐ編集部)
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2019年4月19日に東京・池袋で乗用車を暴走させ母娘2人が死亡したほか9人が負傷した事故で、車を運転し自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で在宅起訴されていた、旧通産省・工業技術院の元院長・飯塚幸三被告(89)の初公判が8日午前、東京地裁で始まった。飯塚被告は、罪状認否で遺族に謝罪したものの、「車に何らかの異常が起きて暴走した」と述べて、起訴事実を否認し「無罪」を主張。このことが各方面で物議を呼んでいる。

池袋暴走で「アクセル踏み続けた事実ない」初公判で無罪を主張

読売新聞などによると、検察側は初公判の冒頭陳述において「被告は事故直前にアクセルを踏み込んで縁石に接触したが、さらに加速を続けた」と主張。「事故前の定期点検ではブレーキやアクセルに異常は見つからなかった」と述べたのに対し、飯塚被告の弁護側は「被告がアクセルを踏み続けた事実はなく、走行制御システムに異常が生じた可能性がある」として、被告の過失を否定したとしている。

起訴状によると、飯塚被告は2019年4月19日、東京都豊島区の道路で乗用車を運転中、アクセルペダルをブレーキと間違えて踏み続け、時速約60キロから約96キロに加速。自転車で青信号の横断歩道を渡っていた松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)母娘をはねて死亡させたほか、通行人ら9人を負傷させたとされる。その中には全治約1年の負傷者もいたという。

上級国民の「無罪」主張に不満と怒りが爆発

飯塚被告は事故当初、「容疑者」という呼称で報道されずに「元院長」と表記されていたことなどから、ネット上では「上級国民」などと呼ばれ、現在も批判の対象となっている。

裁判では被告が「無罪」を主張することは権利として認められているが、この事件に関しては圧倒的に怒りの声が多くあがっているようだ。昨年11月に飯塚被告が書類送検されたというニュースが報じられた際も、「元院長っておかしくないか?」「上級国民だから逮捕されなかったんだろうな」「そろそろ容疑者にしてくれ」などといった意見が大半を占めていた。これは、飯塚被告以外の交通死亡事故を起こした人であれば、テレビなどで「容疑者」と報じられ、すぐに「起訴」されて実刑判決を受けている事例が大多数であるからに他ならない。

また、初公判において「無罪」を主張したことで、亡くなった被害者やその遺族に対する謝罪の気持ちが感じられず、「保身に走っている」と受け止められたことも、批判が多くあがっている原因なのだろう。

【関連】「上級国民」と叩かれた飯塚元院長を書類送検もネットに怒りの声

「処罰感情を持って戦っていく」無視された遺族の思い

亡くなった松永真菜さんの夫で遺族の、松永拓也さんは昨年9月、飯塚元院長について、できるだけ重い罪名での起訴と厳罰を求める約39万人分の署名を東京地検に提出していた。その思いが通じたのか、2020年4月6日には東京地検が飯塚被告を在宅起訴。そして今日の初公判を迎えた。

拓也さんは7日、自身のブログで飯塚被告に対する想いを以下のように綴っている。

加害者の心は加害者が決めることで、私にはコントロール出来ないことです。人の心をコントロールしようとしても自分が苦しむことになるので、そうは考えないようにしています。

とはいえ、私たち遺族は2人の死と、それに対する苦しみに毎日毎日向き合ってきました。
加害者は私達遺族の声を聞き、私達の姿を見て、2人の命や遺族の無念、自身の罪と向き合ってほしいと思っています。それらと向き合った上で、自身の心のあり方を決めて欲しいと思います。ふたりの命は戻らないからこそ、せめてもの私たちの想いです。

人の心の内を読むことは出来ませんが、これまでの報道で見た限り、加害者が2人の命や遺族の無念、自身の罪と向き合っているとは私には到底思えません。心から残念でなりません。

心の中は妻と娘への愛と感謝で満たしつつ、頭の中では明確な処罰感情を持って、遺族として戦っていきたいと思います。

(出典:『池袋暴走死傷事故 遺族のブログ』2020-10-07「裁判を迎えるにあたって」より)

このブログは本日の初公判の前日に投稿されたものだが、飯塚被告に対して「明確な処罰感情を持って、遺族として戦っていきたい」という言葉に、長びくことになるかもしれない裁判への決意が伝わってくる。しかし、被告の年齢的なことを考えても遺族には時間がない。

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