BTSファンは敏腕投資家?注目IPOビッグヒットの株価急落にも冷静なワケ

2020.10.22
by サイタマコ
 

巨額の金が動く「センイル(誕生日)広告」とは?

image by:編集部

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BTSのファンに限らず言えることだが、K-POP文化には日本では考えられないビッグな投資が繰り広げられている。そのなかでも有名なのが「センイル(誕生日)広告」だ。その名の通りメンバーの誕生日を祝うために企画される広告のことで、現在では駅ナカ広告、トラック広告、YouTube広告、そしてカフェなどのさまざまな方法で祝われている。

この広告を出しているのは「マスター」と言われるファンのことで、簡単に説明すると、推しメンバーのコミュニティを運営するファンの中でのトップのような存在だ。毎公演のようにコンサートを周り、ファンとしてメンバーをサポートするのが役目。大物までになるとマスターが仕事だという人もいるほどだ。細かい収入源についてはタブーな話とされているため、ここでは控えようと思う。

ビッグだったものといえば、ニューヨークのタイムズスクエアに流れたBTSのメンバーVのセンイル広告だ。12月30~31日の2日間だったとはいえ、相当な金額になると推測されている。なんと言っても、当日タイムズスクエアでイベントがあったため、本人がその広告を見たというのがアーミーにはたまらない。ファンからしてみると、大きな出費よりも価値のあることなのだ。

日本でも企画されることはあるが、韓国に行ってまでこういった推しのセンイル広告を巡るのが、定番の過ごし方。いくつ周れるかが勝負のカギなのだ(ちなみに誰かと戦っているのではなく、自分との戦い)。推しがいる国で誕生日を祝うのが、お金と時間への投資でもある。こういったアーミーは少なくなく、2019年の調査結果で、BTSが46億ドル(約5,000億円)もの経済効果を韓国にもたらしたと言われたのもおかしくない話だ。

マスターと比べると少ないかもしれないが、筆者のヲタ活を少し紹介(自慢)させてほしい。コンサートでは東京・名古屋・大阪・静岡の国内のみならず、韓国・香港・タイ、そしてニューヨークと数多くの国まで周った。確かにお財布の中身はいつも寂しい状態ではあったが、世界レベルのパフォーマンスが見られるのはもちろん、BTSのおかげで新天地へ足を踏み入れられたという、いい経験ができたことに価値があるのだ。もちろん今でも、この投資への後悔はない。

アーミーによるこれだけの投資活動が行われてきたいま、ビッグヒットの株価はこれっぽっちの金額なのだ。

「7年目のジンクス」を乗り越え、ビッグヒットの成長は止まらない

無名の弱小事務所から上場するまでに成長したビッグヒット。ここまで上り詰めれば十分なような気もするが、まだまだ成長の余地があると筆者は思う。

例を挙げると、K-POP界では有名な「7年目のジンクス」という言葉をご存じだろうか。韓国では所属事務所との再契約となる時期が7年目の年。ここで再契約をするかしないかでグループ・アーティストたちの運命が変わってしまうのだ。この「7年目のジンクス」で解散となったグループも少なからず存在しており、多くのファンたちが悲しい思いをしたに違いない。

だがBTS、ビッグヒット、そしてアーミーにはまだ未来がある。2018年に1年以上の契約期間を残したままBTSとビッグヒットは再契約を結んだのだ。これは、2027年の上半期までビッグヒット所属グループとして活動するということ。これに対してメンバーも「今後に最善を尽くす」とコメントしている。このジンクスを乗り越えられたのも、アーティストと事務所の繋がりが強いからと考えられそうだ。

株価暴落の要因の一つとも言われているBTSの兵役問題。服務期間は芸能活動ができないものの、「7年目のジンクス」を乗り越えたBTSなら除隊後の活動も約束されているようなもの。また、2019年にデビューした弟分「TOMORROW X TOGETHER(トゥモローバイトゥギャザー)」もいることで、ビッグヒットの今後の成長も期待していいのではないだろうか。

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