知らない間にAV出演させられている
自分で作成することが難しいとしても、最近は他の手段があるようだ。中国では制作を代行する業者なども出現しているといい、素材となる顔写真や動画を渡せばあとは勝手に合成してくれる。
リモート会議でパソコン越しに喋っていただけなのに、いつの間にかディープフェイクの素材集めに自ら協力してしまう。もはや何も信じられなくなってしまう。
ディープフェイクを利用したセクハラがもはや現実の脅威となっているだけではない。さらに恐ろしいのが、ディープフェイク動画をネットで拡散されたり、ファイル共有ソフトなどを介して意図せず流出させてしまう可能性があることだ。
こうなってしまうと、自分ではまったく身に覚えがないのに、いつの間にか、さも自身がAVに出演したかのような“前科”がついてしまう。交際すらしていないのに、リベンジポルノをされるような酷い仕打ちだ。
AV出演歴のある芸能人がディープフェイク説を言い訳にしているという見方もあるが、一方で一般人が知らぬ間にAV出演“したことに”なってしまう。恐ろしい時代である。
「ディープフェイク」セクハラの防衛策は?
では、どうすれば被害を防ぐことができるのか?残念ながら完璧に防衛するということは難しいかもしれない。
しかし、ディープフェイクの作成方法を逆手に取ればよい。
動画作成には豊富な元素材が必要となる。1枚や2枚しかなければそれはアイコラレベルにしかならない。さまざまな角度から撮影した動画や静止画がなければクオリティの高い動画が作成できないため、これを阻むことはできるだろう。
例えば、リモート会議中は必ずマスクをする、音声のみで参加する、イラストを利用するなどは、その防衛策として機能しそうだ。
リモートワークが広く浸透する中で生まれた、セクハラの新様式。悪用するために最新技術を活用することは許されるべきではない。