国全体がトロットだけといっていいほどだ。失恋を悔やみ、不運を悔やみ、人生を悔やみ、傷ついたこの心の傷を酒で癒すしかないようなそんな歌詞が多いのがトロットつまり演歌だ。こういうトロットを、幼稚園生や小学生、中学生をはじめ青年層も歌いたがっている。老年層はいうまでもないけれど。いつまでこういう現象が続くかはわからないけど、今は全国民が皆トロットにのみ耳を傾ける。荒木和博さんのいうように、韓国社会が一種の「疲れ」を帯びた状態になってるからこういう演歌調つまりトロットが流行るのかもしれない。
ちょっと一服してから出発しようという歌がトロットだと思う。ロックなどの尖った音楽が流行るより、トロットなどが流行るほうが、社会はすこしでも「落ち着き」や「ゆっくり」を取り戻すのに役立つのかもしれない。
韓国はあまりにも速く走りすぎてきたきらいがある。筆者が韓国に渡った三十余年前と比べたら今は雲泥の差だ。おりしも、韓国経済を引っ張ってきた天下のサムソンのイ・ゴンヒ会長が永眠された。韓国はここらで一休みして、また新たな出発を期すべき時に至っているのかもしれない。
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