中国の暴言に抗議せぬ茂木外相と外務省の無知、弱腰外交の病根とは?

 

尖閣諸島問題については、今回の会談の主要テーマでなかったとはいえ、外務省が言うように双方が言及した訳です。中国側の主張に茂木外相が日本の立場を伝えたことは言うまでもありません。それに、習近平国家主席の来日や経済面での日中関係の深化がテーマですから、記者会見で先に発言するホストの茂木外相が尖閣問題に触れないのは、当たり前でもありました。しかし、そのあとに発言する王毅外相が中国国内を意識して強硬姿勢をのぞかせ、慣行を重視する日本側はその場では反論しませんでした。

それが自民党内からの茂木外相への弱腰批判となったわけで、今後は記者会見で言及するテーマを双方ですり合わせ、それから逸脱する発言があった場合には、その場で反論するようにしておけばよいだけです。それができないタイプの外相だったら、外務省はマスコミを通じて即座に反論を発信し、相手国にも抗議、あるいは遺憾の意を伝えなければなりません。

自民党から突き上げられ、やっと3日後に読売新聞に取り上げてもらうようでは、日本には外交を語る資格などありませんね。(小川和久)

image by:Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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