敵は文在寅大統領だ。剥がされる「玉ねぎ女」後ろ盾の化けの皮

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韓国で繰り広げられている法相と検察総長との戦いのステージですが、ここに来て変化を見せているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、検察総長の「敵」がもはや法相を超え文在寅大統領になりつつある事実を、これまでの現地で報じられた経緯を紹介しつつ伝えています。

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韓国スケッチ 12月初

韓国で異常事態。日本で伝えられない『玉ねぎ女』のさらなる暴走」で、尹錫烈(ユン・ソンヨル)検察総長と秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の戦いをお届けした。この戦いというのは、チュ・ミエによる一方的なユン総長はずし劇なのである。ユン総長をこのままの状態でおくと、いずれ捜査は大統領府にまで及ぶことは目に見えている。これを阻止するための必死の悪あがきなのである。

チュ・ミエの背後に文オヤブンのいることはあまりにも明らかだ。そんなことは韓国の国民ならだれでもわかっていることだが、権力をもったものがなんでもやりたいようにやれる構造になっているゆえ(これはどの国でもどんな組織でも同じが)、こんな茶番劇のようなものも「いい加減にしろ」といってとめることができない。なんとも情けない話だ。

ユン総長の運命は11月30日または12月1日に決定されるものとみられると前号で書いた。しかしまだ決まっていない。経緯のほどを簡潔に書いてみよう。

まずは12月1日に、裁判所がユン検察総長の言い分を肯定する判決を出した。つまりチュ・ミエ長官の出した「職務停止命令」を「停止せよ」との判決を出したのだ。ためにユン総長はその日に職務に復帰した。第一ラウンドはユン総長の勝ちとなったのだ。

すかさずユン総長統率のもと、大田地裁が担当している月城原発1号機の不正疑惑に関与する公務員3人に拘束礼状を出し、大田地裁はそのうちの2人に拘束令状発付。嫌疑の内容は監査妨害、公文書損壊など複数にのぼるが、そのなかには、文政権は口では「原発停止」を公約としてかかげながら2018年の金正恩との首脳会談のときに金正恩に言ったのだろう、北朝鮮には韓国の力で原発をつくってやってもいいよというような内容もあるらしいから驚きだ。

こういった文書444件くらいを隠滅したという疑惑である。3通の令状のうち2枚は受理され1枚は除外されたわけだ。拘束を除外された人はチョン課長という人で、この人は嫌疑のほとんどを認めているため拘束を免れている。

拘束された2人は、文局長とキム書記官の2人。今も嫌疑を全面否定しているようだ。後ろ盾が「堅固」なものがあるからできているワザなのだろう。かれらには「別名」がある。文局長は「ヤンジェチョン局長」というあだ名があり、チョン課長にもおもしろいあだ名がある。文局長は、当時原発などを担当する部署である産業部長官であったペク長官といっしょにヤンジェチョン(ソウルにある川の名前)を散歩するほどの近しい関係にあったから。もう一人のキム書記官のあだ名がふるっている。「神のお告げ」書記官というもの。

それは、監査が入るちょうど1日前にファイルを削除して、「上からの指示ではありません、神のお告げと思った」からと答えたのだ。それで「神のお告げ書記官」。言い得て妙である。

拘束を免れた人はチョン課長という人で、この人にもあだ名がある。「死にたいのか課長」という別名。彼は、2018年4月に、原発廃棄が妥当という(文在寅寄りの)報告ではなくて2020年までは十分収益性があるから原発は続行すべしという報告を出した。そのときペク長官から「お前は死にたいのか」と怒鳴られた。だから「死にたいのか課長」。なんともおもしろいあだ名をつけるものだ。

拘束されている文局長とキム書記官は、当時上司であったペク長官の後ろ盾を信じているゆえ、最後まで嫌疑否定という強気を貫くのだろう。ペク長官の背後には文在寅がいることはいうまでもない。北朝鮮に対する「原発輸出」みたいな書類が出てきたら大変だ。

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