【サーチ&リサーチ】
変異株とか変異種といっても、当然ながら、新型コロナばかりではない。21件のサイト内の記事の中で、「黒い葉ボタン」、「新型インフルエンザ」、「ホップ」のそれぞれ「変異株」についての記事もあった。また、ヒトゲノム研究で特定の遺伝子の「変異株」を作成するという話もあった。それらの合計4件を差し引いて、残り17件の記事のなかから、いくつかを紹介する。
2020年8月20日付「論座」
東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長の医師、川口浩氏の寄稿。タイトルは「「指定感染症」の呪縛から新型コロナを解放せよ」というもの。全文の趣旨は、新型コロナウイルスへの過剰反応で医療の負担が増しているというもの。「日本が目指すべきは、「医療資源を温存しながら、緩やかに感染を広げる」という方法ではないか。」とまで言っている。
以下の記述は、変異株についての基本情報として重要。
「SARS-CoV-2も既に世界中で4000以上の変異株が報告されている。日本でも国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターがこの塩基の変異を足がかりにして、国内で流行したSARS-CoV-2のゲノム情報を基にしたクラスター解析(ハプロタイプネットワーク解析)をつづけてきた。同センターはこれまでも、1~2月に日本へ入ってきた武漢由来のウイルス株が終息し、3月になると帰国者らが持ち込む形で欧州株が流行したことを解明している」とする。
2020年9月13日付「論座」
上記と同じ川口浩医師による論考。趣旨は大きくは変わらないが、変異株が5000種近くに達しているとして、「病原性(毒性)の強い株が流行している国や地域からの入国を選択的に制限する措置は必須と考える」と述べている。
2020年11月5日付
デンマークで突然変異した新型コロナウイルスがミンクからヒトに感染し、最大1700万匹の殺処分が行われることに。首相は「変異したウイルスのせいで、将来のワクチンが期待通りに効かなくなるリスクがある。断固たる行動が必要だ。全てのミンクを殺処分す
る必要がある」と述べたという。
*その後、英国で感染が拡大することになる変異株が問題になり始めるのは、12月に入ってから。
2020年12月15日付
英国で感染者が急増し、「ロンドンで、パブやレストランの店内での飲食を禁止するなどの厳しい抑止策を16日から始めると発表した。」とのニュース。変異株については以下の記述。
「ウイルスの新たな変異株の感染例が英国南部を中心に1000件確認され、英南東部での急速な感染拡大と関係している可能性があると明らかにした。変異株については保健当局が分析を進めており、「現在のところ、この変異株が重病につながると示すものはなく、ワクチンに反応しない可能性は極めて低い」と話した」
2020年12月20日付
英国が3度目のロックダウン。ジョンソン首相は、「最近見つかった新型コロナウイルスの変異株は、従来のものより最大で7割感染が広がりやすいとの分析結果を発表した。分析は確定的ではないとしつつ、英東南部での感染急拡大の背景にはこの変異株の存在があると指摘。20日からロンドンを含む同地域で外出を制限するなど抑止策を強化した」と。
●uttiiの眼
変異種、変異株そのものは既に5000種も見つかっているということで、問題は「感染力」や「毒性」が変化するような変異かどうかだということは確認しておくべきことだろう。英国東南部で感染を急拡大している株については、7割も感染力が強まっているらしく、仮に毒性が弱まっていたとしても、容易ならざることだ。
記事を読んでいるだけでは、まだまだ分からないことが多い。感染力が強いというのは、一度罹って治った人も再び掛かるということを含むのか、含まないのか。ワクチンは効かなくなる可能性はほとんど無いと言われているようだが、だとしたら、一度掛かって体内に抗体が出来た人はその抗体がある限り再び感染することはないのか、など。いずれ、致死率について異同があるのかないのかなど、データが出てくるのだろう。
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