アメリカの次期副大統領に就任する予定のカマラ・ハリス氏が、有名ファッション誌「Vogue」の表紙に登場しました。しかし、それが原因で全米はおろか世界で物議を醸しています。いったい、何が問題なのでしょうか? メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、その理由と背景を紹介しています。
期待と不安の入り混じるアメリカ初の女性副大統領カマラ・ハリス
ぶっちゃけ、78歳のジョー・バイデン次期大統領では2期目はないだろう。
それどころか、1期目ですら全うできるか危ういものだ。
何しろ、脳直下の動脈瘤の切除手術を何度か経験し、健康面での不安が払しょくされない。
となれば、今後4年の間に副大統領のカマラ・ハリス女史がアメリカ史上初の女性大統領に昇格する可能性が極めて高くなる。
ジャマイカ出身の黒人の父親とインド人の母親の間に生まれたハリスである。
カリフォルニア州の司法長官から上院議員になり、将来を嘱望される存在であった。
しかも、上昇志向が強く、そのためにはサンフランシスコの市長の愛人を務めたこともあるといわれるほど。
今後は益々その一挙手一投足が「未来の大統領」として関心の的にならざるを得ない。
1月20日の正副大統領の就任式を間近に控え、首都ワシントンは熱烈なトランプ支持者による妨害工作が懸念されているが、ハリスを巡ってはファッション誌「Vogue」2月号の表紙に登場した彼女の服装が物議を醸している。
これまでもミッシェル・オバマは3回、ヒラリー・クリントンも1回、ファーストレディとして同誌の表紙を飾ってきた。
メラニア・トランプはトランプと結婚する前にDiorのウェディングドレスを纏い登場したが、ファーストレディの期間中は一度もお呼びがかからなかった。
いずれにせよ、今回、初めて女性副大統領として登場するハリスの写真は事前に彼女が了解していたものとは違っていた。
事前の打ち合わせで選んでいた写真は青いスーツを着こなし、にこやかな笑みを浮かべながらも威厳溢れる上半身をカバーしたもの。
しかし、実際に表紙に使われた写真は普段着に近くラフなジーンズ風で運動靴を履いた全身もの。
Vogueの編集長は「親しみやすさを強調した」と説明し、「どの写真を選ぶかは編集部の裁量だ」と主張し、ハリス側の抗議に馬耳東風を決め込んでいる。
もともとVogueはファッション界をリードする有名な雑誌ではあるが、「人種差別的な編集方針」でも知られており、黒人モデルを使うこと自体が珍しく、使った場合でも白人と比べて安い謝礼しか支払ってこなかった。
今回、満を持してアジア系且つ黒人というマイノリティを代表するカマラ・ハリスを登場させたものの、何やら隠された悪意が感じられる。
ぶっちゃけ、バイデン・ハリス・チームの先行きは厳しいものになりそうだ。
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