以下、郷原信郎弁護士の見解について。
郷原氏によれば、後援会は、会場借上料と飲食費をセットにした宴会料」をホテルに支払っているし、参加者も飲食費や会場借上料がセットだと認識して5000円を払っているから、「会場借上料だけを切り離せないことは明らか」だという。もし会場借上料だけを宴会料から切り離せたとすると、「政治家は会場借上料が高かったことにして高額の飲ませ食わせをすることもできる。そんなことは許されない」と。
また、安倍氏は明細書を提示すれば費用の補填が会場費だけでないことが明らかになるとして、「安倍氏は検察もホテルも絶対に明細書を出さないだろうと踏んで、こんな的外れの会場費の話を持ち出したんだろうが、苦し紛れの強弁に過ぎない。明細書を出さない限り、追及は続くだろう」とも。
●uttiiの眼
「補填」を認めざるを得なくなった段階で、安倍氏サイドは色々考えたのだろう。補填をしても違法にならなければ良い。そのためには、会場費を別途払っていることにするしかない…と。しかし、そうなると、「別途に払っていること」、会場費が全体の額から飲食代1人5000円分を差し引いた残りが会場費になっていることが、明細書によって証明されなければならない。郷原氏の指摘は見事で、「なぜ安倍氏は明細書を見ていないのに補填分が会場費だったと分かるのか」という至極当然の疑問も記されている。
追い詰められた結果、ますます明細書を示す必要が出てきてしまった。しかも、そこにこの説明に相応しい金額の会場費が記されてなければ、安倍氏の説明は虚偽ということになるだろう。そろそろ全面的に白旗を掲げるべきタイミングだと思うが、米国の大統領と同じで、往生際が悪すぎる。
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