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“脱鬼滅”に暗雲、LiSAにとって「アニソン」は呪縛か一番の宝物か?新曲不振アンチ急増で見えた原点と核心

歌手のLiSA(33)が今月13日に18枚目のシングルとなる新曲「dawn」をリリースした。TVアニメ『バック・アロウ』のオープニングテーマに起用され、注目が集まっていたが、初週の売り上げ結果では、オリコンが初登場9位、ビルボードは11位。決して悪い数字ではないものの、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編の主題歌となった「炎」はこれを凌ぐオリコン4位、ビルボード2位。新曲は「炎」越えを果たすことができなかった。

鬼滅パワーがないから?新曲「dawn」は「炎」越えならず

年末に行われた「第62回日本レコード大賞」では大賞を初受賞。NHK紅白歌合戦にも2年連続で出場するなど大躍進を遂げたLiSA。

勢いそのままに、今月13日に新曲「dawn」をリリース。LiSA本人も「新しい眩しい幕開けを力強く迎えに行く曲です」とアピールしていた。

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だが、立ちはだかったのは自分自身の大ヒット曲。新曲「dawn」は「炎」を越えることはできなかった。

自らを別のステージに連れて行ってくれた曲に、自らが苦しめられることになってしまったLiSA。これは『鬼滅の刃』の呪縛なのだろうか?

鬼滅を歌うLiSAは好きでも、LiSAそのもののファンは増えなかったという事実が明らかになってしまった。

LiSAは売れて天狗になったのか?

今月20日、LiSAは自身の公式サイトである注意を促した。

「お願い:マスコミの皆様へ」と題されたメッセージには、「LiSA本人および親族を含む関係者への張り込み行為や、接触取材はお控えくださいますようお願い申し上げます」と書かれている。

どうやら『鬼滅の刃』ブームで注目が集まり、マスコミの取材がLiSAやその周辺にも及んでいるようだ。

公式サイトでこのような注意書きをすることは異例。有名人となればある程度周辺取材をされてしまうことは仕方ないが、わざわざ文章にして発表したということは、余程失礼な迷惑行為があったのは間違いない。

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しかし、これが一部では「売れてLiSAが天狗になった」と感じている人もいる。ネット上では「随分と偉くなったもんだ」「ちょっと驕り高ぶっているのでは?」「アーティストってレコード大賞獲ると変わるもんだね」などの声が上がっている。

アンチLiSA急増は人気者になった証

『鬼滅の刃』大ヒットの波に乗り、昨年は大忙しの一年となったLiSA。アーティストとして充実していただけでなく、実は副業でも絶好調だった。

昨年9月にアパレルブランド「ROY -reflect overjoy-(ロイ・リフレクト・オーバージョイ)」を設立。LiSAはブランドプロデューサーを務め、時代や性別、年齢にとらわれない“ストリートパンクスタイル”をコンセプトに、10月からオンラインのみで販売をスタートさせていた。

実際にサイトを覗いてみると、LiSAが身に付けているような衣装やアクセサリーがズラリと並んでいる。すでに「SOLD OUT」になっている商品も複数あった。

中でも人気なのが安全ピンの形をしたピアス。LiSA自身がつけた写真をツイッターにあげていたことで、あっという間に売り切れとなったようだ。

しかし、こちらにも一部からは批判的な声が聞こえてくる。コンセプトに掲げられているように、デザインには“パンクテイスト”が取り入られているが、「ダサすぎる」「どれもヤンキーっぽい」「これ着て街は歩けない」「ダサいくせに値段が高い」などの感想がネットに踊っている。

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だが、何をやっても否定的な意見が出てしまうのは、LiSAが多くの人に知られるようになった証拠。アンチが急増してしまうのは、ある意味仕方がない有名税だといえる。

こうした意見にいちいち傷つく必要はなく、批判を自らのパワーに変えることができれば、LiSAはさらに一流のアーティストへの階段を上っていくことができる。LiSAには今、その“強さ”が求められているのだ。

LiSAが進むべき道は「脱鬼滅」「脱アニメ」か?

もともとはロックバンドを組み、インディーズで活動をしてきたLiSAだが、2010年テレビアニメ『Angel Beats!』の作中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカル・ユイ役の歌唱パートに抜擢されてメジャーデビューを果たした。

これが評判となったことから、その後もLiSAはアニソンを主戦場として活動。アニメのタイアップ曲を多くリリースしてきた。

特に「oath sign」(Fate/Zero)、「Rising Hope」(魔法科高校の劣等生)、「crossing field」「シルシ」「Catch the Moment」(ソードアート・オンライン)が有名で、それぞれLiSAの代表曲にソードアート・オンラインについてはデビュー直後から5年間にわたってタイアップを続けてきた。

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アニソン界の頂点を極めたといっても過言ではないLiSA。

しかし、レコード大賞も獲得し、10年間アニメと関わってきたことで、心境の変化が起きてもおかしくはない。アーティストである以上、「アニメ以外の曲も…」と、さまざまな楽曲を歌いたいと思うことは当然である。

森口博子に見る「ガンダムさまさま」な生き方

そこで、参考になるのが歌手でタレントの森口博子(52)。

森口といえば、バラドル(バラエティーアイドル)として一時代を築いたタレントだが、もともとは歌手として活動し、デビュー曲は『機動戦士Zガンダム』の主題歌だった。

その後はヒット曲に恵まれず、アイドルからバラドルへと転身。「私なんてデビュー曲がガンダムですよ」と当時はネタにしていたが、今となっては「ガンダムで良かった」「ガンダムありがとう」と感謝しているという。

なぜなら、不動の人気作であるガンダムは、「懐かしのアニメ特集」などで多くのテレビ番組に取り上げられる。そのたびに曲が流れ、森口博子の名前が出るのだ。

デビューがアニソンだったことは本望ではなかったかもしれないが、“ガンダムさまさま”なのである。

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ターゲットは世界 活路は海外にある

今、YouTubeでチャンネル登録者数332万人(1/22現在)を誇る、大人気チャンネルがある。

『THE FIRST TAKE』という、一発撮りにこだわった音楽チャンネルで、過剰な演出を一切削ぎ落した斬新な見せ方が話題だ。このチャンネル発のヒット曲や新しいアーティストも誕生している。

このチャンネルの特徴は海外からの視聴が約3割を占めていること。YouTubeという特性を生かし、グローバルに発信していくことが可能で、世界を視野に入れて活動できるのだ。

実際にLiSAも出演して「紅蓮華」を歌い上げ、その圧巻のパフォーマンスが評判となった。

これらを踏まえると、LiSAが「脱鬼滅」「脱アニメ」に加速してしまうのは賢明ではない。メジャーデビューから10年が経ち、新たな道を模索し始める時期かもしれないが、海外人気や将来的な面も考慮すれば、アニソンから卒業するということは考えず、このまま自然体で歌い続けることがLiSAにとっては得策だと言えるだろう。

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LiSAにとって鬼滅後の今年が本当の勝負

今月15日には『中居正広の金スマ新春スペシャル』(TBS系)に出演し、LiSAは人気番組の2時間スペシャルで特集されるまでになった。

この番組の中で、家出同然で実家を飛び出し、歌手としてブレイクするまで極貧生活を送っていたエピソードを披露した。

地元岐阜でアルバイトをして100万円を貯めて上京したものの、引っ越し代やスタジオ代で底をつき、部屋には布団一組と衣類を入れた段ボールだけ。

100円ショップで購入した瓶入りのなめ茸が唯一のごちそうで、家には冷蔵庫がないため、冬はベランダに食材を置いて保管していたという。

オーディションにも落選し続け、夢だけを求めて駆け抜けたことで掴んだチャンス。貧乏生活を経験したことが糧となり、今の成功につながっている。

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昨年は『鬼滅の刃』の力も借りることで大躍進を遂げたが、本当の勝負となるのは今年1年。自らの力だけでどこまで飛躍できるのか。アーティストLiSAの本領が試される。

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image by : LiSA公式ウエブサイト

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