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「森喜朗と同類扱いだけは勘弁…」東京五輪“支持派”に熱い風評被害。批判避けに孫娘まで利用する老害ぶりで会長辞任か大会中止か究極の二択状態に

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言の余波が続いている。日本中から批判が殺到しているだけではなく、海外でも波紋を呼び、身内である組織委員会のメンバーからも厳しい声が上がっている。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)の担当者は4日、「この問題は終了と考えている」との声明を発表し、事態の収束を図っている。

逆ギレ釈明会見は世界中で大炎上

森会長は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した件について訂正、謝罪したものの、記者からの質問に逆ギレするなど、前代未聞の釈明会見となった。

この様子は世界中のメディアに瞬く間に拡散され、大きな波紋を広げている。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「人の感情を害するような発言が多い元首相」が、「性差別発言で謝罪したが、辞任は否定した」と伝え、米ESPNも「東京組織委員会会長は、女性を侮辱するコメント後も辞めない」という見出しで報道。英ガーディアン紙は「森会長は女性差別的発言を謝罪したが、辞任しないと述べた」と報じた。

また、元アイスホッケー女子カナダ代表でIOC委員でもあるヘイリー・ウィッケンハイザー氏はツイッターに「絶対にこの人を追い詰めます。東京で会いましょう」と投稿。

フランスの欧州問題担当相を務めた欧州連合(EU)のナタリー・ロワゾー欧州議会議員もツイッターで、「あなたには2つの単語で十分。“お黙りなさい”」と怒りをあらわにした。

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森会長の身内からも辞任を求める声

森会長に対しては、身内である組織委員会のメンバーからも厳しい声が上がっている。

FNNは組織委員会幹部の話として、「大会の開催自体、国民から厳しい目で見られている中で、あの発言はよくない」「IOCは出場するアスリートの男女比を同率にすることを目指しているだけに、かなり影響が大きくなるのでは」とのコメントを報じた。

また、かつて所属していた自民党内からも苦言が呈された。

後藤田正純自民党副幹事長は自身のツイッターに「邪魔です!」と投稿。さらに「出処進退は自ら潔く」「小池都知事と橋本五輪大臣に権限と責任があります。2人から早く解任する発言が聞かれないのが不思議」とし、森会長を即刻辞任させるべきだとコメントした。

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一方、小池都知事は森会長の釈明会見を受け、自身も困惑しているとしたうえで、「優秀な女性はたくさんいる。女性の声を生かすというのは当たり前の話だ」と語ったものの、森会長の進退については言及しなかった。

だが、東京都には抗議の電話が殺到しており、東京五輪のボランティアに申し込んでいた人たちからの辞退も相次いでいる。

“多様性”を否定している人物こそ森会長

世界中に醜態を晒すことになった一連の森会長の失言だが、これを擁護した人たちにも激しい批判が寄せられている。

元財務官僚で現在はテレビ番組のコメンテーターなどを務める山口真由氏は、4日に出演した『ゴゴスマ』(CBC系)の中で、「私はこんな方をおもてに出してはいけない、裏で隠然とした力を発揮してほしいという、臭い物に蓋的な欧米のポリコレ・カルチャーには違和感がある」とし、「多様性をまるで理解しない83歳のおじいちゃまも、受け入れるのも多様性」とコメント。

しかし、この意見に対して、「森氏を受け入れることが多様性ではない」「多様性を認めていないのが森会長」などの声が上がっている。

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森会長は4日に行った会見の中で、女性蔑視ととられる発言をしたことを訂正、謝罪する一方で、世の中には「女性と男性しかいないんですから。もちろん両性っていうのもありますけどね」と語ったが、これは明らかな失言。

森会長自ら多様性を認めていないことを明らかにしてしまった。

家族の話を持ち出し同情を買おうとする愚行

森会長は釈明会見を行った後の4日夜、BSフジ「プライムニュース」に出演し、発言撤回の真意について説明した。

森会長は海外にまで影響が及んでいることを考慮したとし、「私の話はそこまで細かく外国へ行って説明するわけにもいきませんからね。だからこれは私は撤回したほうが早いと」とコメント。

また、今回の件で家族に迷惑をかけてしまったと話し、孫娘から手紙をもらったことを明らかにした。

スポーツニッポンによると、森会長は「読んでいたらかわいそうになってね。孫が寝不足だったのか会社で倒れたらしんですね。えらいことになったなと。まだ会っていないんで、明日にでもなぐさめて謝っておこうと思っている」と話したという。

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自身の発言が大騒動になってしまったことに焦ってか、森会長は家族の話を持ち出して、同情を買うようなコメントをした。それならば、困らせてしまった孫のためにも、森会長自身が身を引くべきではないだろうか。

今回、森会長は「女性は話が長い」としたが、それはあくまでも個人の問題。話が長い男性もいれば、話が短い女性もいる。そこに性別などまったく関係がない。それぞれの発言をうまくまとめ上げることこそが、トップである森会長の役割のはずだ。

東京五輪の開催を求める人たちが、みんな森会長を支持しているわけではない。女性蔑視をするトップの考えに賛同していると思われたら大迷惑だ。失言を繰り返す森会長のせいで、関係者たちの努力が水の泡になりかけている。

image by : 内閣官房内閣広報室 / CC BY 4.0

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