緊急事態「延長」賛美で国民を自殺に追いやるマスコミ人のアホさ具合

000077052
 

1日、菅首相から緊急事態宣言の1ヶ月程度の延長が発表され、営業時間の短縮および休業を余儀なくされている飲食店にとって厳しい状況が続いています。このままでは自殺者が増え、経済に悪影響が出ると警告し続けている京都大学大学院教授の藤井聡さんは、自身のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』の中で、出演したラジオ番組で起きたというアナウンサーとのエピソードを紹介。まったく会話が噛みわないという出来事から感じた不適切で不道徳な価値観と、それが当たり前のように蔓延している日本の行く末に懸念を示しています。

【関連】政治家が責任逃れのために自粛を強要するニッポンの「緊急事態」

藤井聡氏の活動をサポートできる有料メルマガ登録・詳細はコチラ

 

世論に併せて緊急事態宣言を取り敢えず延長する政府と、それを何とも思わない世論の冷たさが、多くの人を自殺に追いやっている

当方、いろいろなメディアで様々な方と話をしたりインタビューされたりすることが多いのですが、この度、当方が申し上げていることが全く伝わらず、大変に残念な思いをしたことがありましたので、今日はその話をしたいと思います。

当方、毎週ラジオ番組に出ているのですが、その最後にいつも15分の解説コーナーで、じっくりお話ししたいことをお話しています。そのテーマはいつも、ラジオ局のスタッフの皆さんにご選定いただき、その台本にそって、お話しをさし上げています。

スタッフの皆さんはいつも当方のSNSの発言などをチェックしておられて、当方がどういう主張をしているのかを踏まえてテーマを選定いただくので、おおよそいつも、その時々で一番言いたい事が選定されています。

そして、その番組のアナウンサーさんにインタビューされる形で、そのテーマについて解説していくわけです。

で、今回のその15分の解説コーナーで取り上げられたのが、

政府内で強まる緊急事態宣言の延長論

についての話。今、政府では、「新規感染者数」が一定値以下に収まってきたら解除するけど、まだまだ多いからダメだ、延長だってことになっているようです。

ですがこの話、よくよく考えるとホンットにアホ極まりない話です。

そもそも、「その時点での新規感染者数」ってのは「2週間前の感染者数」なわけですから、「その時点での新規感染者数」が少なくなったかどうかで、今、宣言を解除するかどうかを考えるのは、アホとしか言いようがありません。

それは2週間前に火事がありましたって通報があって、火を消すための水を今、出し続けましょう、と言ってるみたいなものだからです。だから、2週間前の火事についての通報で、今水を出すか止めるかを決めるのはアホだ、という話をしているだけです。

この程度の事は、頭が良かろうが悪かろうが、むしろどんな人でも、人の話さえゆっくり聞いていれば絶対にスグに分かるような話です。

(しかもデータを見ると、緊急事態宣言の2週間以上前の12月24日頃に「感染日ベースの感染者数のピーク」があり、それ以後一貫して感染者数は収束に向かっており、したがって、緊急事態宣言に「よって」収束に向かってきているという事実は全く存在しないにも拘わらず、「発覚日ベース」のピークは、緊急事態宣言の発出日とほぼ同じで、多くの人が、「宣言に『よって』収束に向かい始めた」と誤解している、っていうの点もまた、アホ極まりない話です)

まぁ兎に角、ちょっと考えればどんなアホでもスグに分かるようなことを考えもしない、なんてアホな事をよりによって政府がやっちゃダメですよね。

緊急事態宣言を続ければ続けるほど、飲食店を中心に経済被害が拡大していくんだから、政府のいい加減な緊急事態宣言の延長論は、飲食店をただただ無駄に破壊して、多くの自殺を誘発するだけの話になってますよね、って話をしようとしたのですが……残念ながら、目の前におられるアナウンサーの方には、上手く伝わらなかったようなのです。

print
いま読まれてます

  • 緊急事態「延長」賛美で国民を自殺に追いやるマスコミ人のアホさ具合
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け