韓国大統領室が「異常さ」を増しているようです。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、現在の韓国大統領室で「起きていること」を紹介しています。
大統領室の相次ぐ異常兆候
政権勢力が選挙で惨敗すれば、ある程度慌てて、その過程で大小のミスも出るということもありかもしれないが、最近龍山(ヨンサン)大統領室内外で起きていることはそのような避けられない一時的な混乱とは次元が違って見える。
尹錫悦大統領の重要な対国民メッセージに対し、わずか数時間後に参謀が出てきて趣旨を修正することが繰り返され、17日午前にはパク・ヨンソン、ヤン・ジョンチョル起用騒動まで起きた。これと関連して、公的組織の代わりに秘密組織が作動するのではないかという疑惑も増幅された。
この日午前6時頃、一部の放送メディアが次期総理候補に共に民主党所属のパク・ヨンソン前長官、大統領秘書室長候補に盧武鉉前大統領の最側近であるヤン・ジョンチョル前民主研究院長を検討するという内容を「単独記事」として報道した。
これに対して大統領室は公式に「検討されたことはない」と否認し、ひとまず落ち着いた。問題は、公組織では全く知らない下馬評が主要言論が報道するほどの根拠と背景を持って流布されるという点だ。さらに深刻な問題は、尹大統領の就任2年足らずの時点で、「秘線」を自任する人が報道するほどの信頼を備えた取材源になったということだ。大統領室は無分別な報道として片付ける前に、なぜこのような状況が発生したのかについて内部点検からしなければならないだろう。秘線とは公式的なラインではなく秘密のライン、すなわち非公式な業務関係や人間関係をいう。
最近、ユン大統領の発言を巡る論難は「発表文作成者」が別にいるのではないかという疑いを自ら招くのに十分だ。わずか数時間で参謀が基調を和らげるブリーフィングをしなければならないほどなら、作成者は責任を負わなければならないだろう。ところが、それだけだった。
尹大統領は16日、生中継された閣議の冒頭発言で、総選挙惨敗の責任を認めることも、巨大野党との関係再設定の立場を明らかにしなかった。ところが数時間後に参謀が「非公開会議で申し訳ないという話をした」と伝えた。
4月1日、医大増員と関連した対国民談話の時にも参謀たちが一歩遅れて増員数字の調整も可能だという立場を明らかにした。釜山エキスポ誘致失敗の時も、大統領のとんでもない楽観論をめぐり、秘線疑惑が起きた。このようなメッセージと人事混乱が繰り返されるほど、いったい「龍山の深処」で何が起きているのかに対する疑問はさらに大きくならざるをえない。(文化日報参照)
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