五輪中止と菅辞任。自民党に残された選挙で大敗しない唯一の手段

 

もう1つが、選挙戦での活動でも密が発生するので、選挙戦前には65歳以上の人のワクチン接種が必要である。どこの選挙も65歳以上の暇なお年寄りが中心に選挙戦を戦っているからだ。野党も与党も、ここは変わりがない。

五輪開催でもワクチンの確保と接種を円滑にすることが必要であるが、世界的なコロナ・ワクチン争奪戦が起きていて、4月以降でないとまとまった量を確保できないようである。

65歳以上の人への接種でも2ケ月以上はかかるので、4月中旬から6月末までかかると、6月末までの日程はあり得ないことになる。

ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長も、東京五輪・パラリンピックの開催に向けた新型コロナウイルス対策について「日本の人々、そして日本を訪れる多くの人々の安全を確保するガイドラインのようなもの」を作成すべきだと提言したが、ワクチンが不十分な状態での東京五輪ができるかどうかをガイドライン作成で検証してほしいということである。

このファウチ所長の前に、バイデン大統領も五輪ができるかどうかは、科学的な事実で検証してほしいというし、米国は五輪への選手派遣ができるかどうか決めていないと断言している。

もう1つ、悪いことに、次のコロナ4波は変異種が中心になる可能性が高い。アストラゼネカのワクチンは、南アの変異種には効果が限定的であると言われる。この対応のワクチンがいつ出てくるかも重要なポイントになる。

もう1つ、経済的な面から二階幹事長は、3月初めから再度GoToトラベルを行うというので、大都市で感染が確認されている変異種の全国的な蔓延も想定することが必要になる。次の4波は5月から始まり、6月に緊急事態宣言を出して、7月には収まるのであろう。

このような複数の条件をスケジュール表に書き込むと、五輪を中止して、選挙を8月、9月に行う方がよいのではないかと思える。

もし、五輪を開催すると、9月中旬から10月初めの一択になってくる。これは追い込まれ解散になるので、自民党は大負けの可能性が出てくるし、野党に突っ込まれて選挙になる可能性も出る。

ということは森会長の後任は、東京五輪中止を根回しできる人が必要になる。その観点からの人選をするべきだ。敗戦投手を選ぶことになるので、なかなか難しいことになる。政治的にも難しい役回りになる。川淵氏を蹴ったことで、人選がより難しいことになった。

会長人事は御手洗冨士夫名誉会長(キヤノン代表取締役会長)をトップに据えた「選考検討委員会」を設置し、後任候補者を選定するという。35人の理事の中から、10人弱の検討委員会メンバーを男女比をほぼ半々にして選ぶというが、橋本聖子大臣になる確率が高いようである。

ここまでゴタゴタが続いたことで、五輪開催を中止しても国民は納得できるはずだし、やっても、無観客での試合なら、観光業にもメリットがなく、開催中止の打撃は、それほど大きくない。

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