世界的エンジニアが選ぶ、リモートワーク向き「ベスト居住地」とは?時差が小さく災害にも強い“天国”、世界の二極化と大移動が始まった

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新型コロナウイルスの感染拡大により日本でも話題となった都心部からの脱出の動きですが、アメリカでも本格化しているようです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、著者で「Windows 95を設計した日本人」として知られ、新世代プレゼンツール『mmhmm(ンーフー)』の開発にも参加しているシアトル在住の世界的エンジニア・中島聡さんが、理想的なリモートワークスタイルを求めて訪れたハワイ島から、アメリカの移住事情等をレポートしています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

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理想的なリモート・ワークスタイルを求めて

今週のメルマガは、ハワイのハワイ島(通称、ビッグアイランド)で執筆しています。

ハワイには、これまで何度かバケーションで来ていますが、今回は「理想的なリモートワークスタイル」を求めて不動産を見ることが主たる目的です。

私は現在、本拠はワシントン州のシアトルにあり、リモートでシリコンバレーのmmhmmで働いています。

mmhmm自体は、シリコンバレーで立ち上げた会社とは言え、オフィスは既にキャンセルしており、私も含めた全員がリモートで働いています。

私以外の主要なメンバーも、サンフランシスコ(カルフォルニア州)、ボストン(マサチューセッツ州)、シドニー(オーストラリア)とバラバラで、今の時代を代表するような、「100%リモート」な会社です。

私は、コロナ以前は、シアトルを拠点として、年に5~6回日本に行って1週間ほど滞在する、という働き方をして来ましたが、去年は1月に日本に行ったきりで、そこから1年以上日本には行っていません。日本に入国するためには2週間の自宅隔離が必要なため、人に会うことも会合を開くことも出来ないからです。

そんな中で、9月にはmmhmmに開発メンバーの一人として参加し、今後のワークスタイルをどんなものにしようかと色々と考えて来ました。

夏はシアトル、冬はカルフォルニアという暮らし方も候補の一つでしたが、実際に数ヶ月を過ごしたいような場所はカルフォルニアにはなく(ロサンゼルスは渋滞がひどい、サンフランシスコは無駄に不動産が高い、ナパは山火事が怖い、パームスプリングスは人工的過ぎる、など)、そんな中で候補として浮上して来たのがハワイなのです。

ハワイは、一年中気候が温暖で(通年を通して20度から30度の間で、真夏でも日本のような猛暑日はありません)、日本にも近く、かつ、日本食のレストランや、日本の食材も簡単に手に入るという利点があります。

さらに、日本との時差も少ないため(1日マイナス5時間)、日本とのZoom会議もしやすいという利点もあります。

そんなこともあり、最初は(オアフ島の)ホノルルのコンドミニアムを入手しようとしばらく物色していたのですが、色々と調べているうちに、地球温暖化のためにホノルルがハイリスクゾーンであることを知り、投資意欲が失せてしまいました。

現時点でも、1フィート(30センチ)しか余裕がなく、満潮(月の潮力で水位が上昇すること)と高潮(台風などの影響で水位が上昇すること)が重なると街が水浸してしまうそうです。今後、地球温暖化で水位が上がると、冗談抜きで街ごと沈没してしまうリスクがあるのです。

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