あの不倫補佐官カップルがやらかしたコロナワクチン調達の大失敗

 

5月中でも終わらない?医療関係者の接種

「週刊朝日」2月26日号が特集で書いたように、「菅政権のワクチン契約は“失敗”」していて「医療従事者も救えない」というのが本当のところである。

きちんとした発表がないので詳細は不明だが、各種報道を総合すると2月12日にようやく届いたファイザーのワクチンの第1便はどうやら6万4,000瓶、1瓶で6回分が取れる(ようにする特殊な注射器が確保できた)として38万4,000回分。2月21日の第2便は、7万5,500瓶、45万3000回分――程度で。第1便と第2便で合わせて約84万回分と考えてよさそうである。さらに28日にNHKニュースが伝えたところでは、3月1日に第3便として52万回分が届くようで、それも合わせると136万回分となる。

上記「週刊朝日」は第1便が到着した後に締め切られていて、その第1便について「約20万人分」と書いているが、これは約40万回分を20万人×2回としたのだろう。またこの特集の時点では「医療関係者370万人」とされていたが、その後に各自治体から上がった数字を集計すると、医療関係者だけで約500万人となることが判明した。

この第1~3回分が2月17日から始まった医療関係者への接種に投入されつつあるが、これでは500万人×2回=1,000回分の13.6%にすぎない。その先どうなるのかを問われた河野太郎ワクチン担当大臣は26日の会見では「4月中に(当初の想定だった)医療関係者370万人の1回目分を配布する」と明言した。

それが順調に届いたとして、まだ370万の医療関係者が1回目を受けただけなので、5月以降に、残り130万人の1回目と、500万人全員の2回目分、合わせて630万回分が届かなければならない。

高齢者への摂取は年内に終わるのか

ところで、高齢者への接種が4月から始まることになっていて、河野によると、4月5日から5万人分(これはたぶん10万回分?)の自治体への配布が始まり、翌週の12日から接種を始めるのと並行して、その週も翌週も約25万人分(たぶん各50万回分?)を配布する。その先の日程・数量は未定だが、6月末までに全高齢者3,600万人分(の2回接種で計7,200万回分が必要)となる。

本当にその量が確保できるのか。河野によると「6月中に4,000万人分を供給することでファイザーと合意を達成している」と言うが、この「合意」とは口約束に毛の生えた程度のもので、正式の(背けば相手にペナルティを課すことのできるような)契約ではない。厚労省は自民党厚労族のプロジェクトチームに問われても「契約書の内容は開示できない」と答えているが、ちゃんとした契約書がないから見せられないのに違いない。上述「週刊朝日」によると、「日本が結んだ契約は供給期限や供給量などの大枠しか定められておらず、途中段階の供給量や時期など細かな決まりがない。そのため次回以降の見通しが立てようがない」という絶望的な内容である。

しかもその“大枠”でも、政府が希望的観測で盛んに口にしている「6月末まで」という文言はなく「年内」とされているという。6月末までにと期限が明記されていたとしても、EUの輸出許可が出なければ届かないわけだし、いつになったら一般の国民の番が回ってくるのか、今のところ未定としか言いようがない。実際、河野は26日の会見で「一般の人にはいつから?」と問われて、はにかみ笑いを浮かべて小さな声で「頑張ります」と呟いた。

私の予想では、高齢者に行き渡るのが早くて秋、下手をすれば年内一杯かかって、一般にまで届くのは来年ではないか。

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