「一杯のかけそば」より泣ける、韓国チキン「鉄人7号」感動秘話

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コリアングルメの定番のひとつと言えば、韓国チキン。そんな韓国チキンチェーンのとある店長の「施し」が大きな話題となっているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、そんな「感動秘話」を紹介しています。

「鉄人7号」マッポ店

韓国のチキン(フライドチキン)を食べたことがあるだろうか。唐辛子で辛くした味付けのものやいろいろな種類があり、かなりうまい。韓国から日本へ就職して日本で暮らしている学生の話によると、韓国のチキンは、韓国にしかないということだ。日本やアメリカにはないらしい(筆者はどこにでも同じようなものがあるものと思っていたのだが;;;)。だから韓国に一時帰国したときには、まずは必ずチキンを食べるということだ。さしずめ、筆者が日本に一時帰国したときに、必ずラーメンを食べるような感覚かも。

さて今日はこのチキンの話だ。配達業界でアルバイトをしながら、弟Qと祖母と3人暮らしの高校生のP君がいる。ある日、7歳年下の弟(小学生)のQ君が、「兄ちゃん、チキンが食いたいよう」とせがんだ。金に余裕のあるはずもない。そのときP君のフトコロには5,000ウォン(約470円)しかなかった。兄のP君は弟といっしょに、家の近くのホンデ・アプ(若者らでにぎわう町)のチキン店を一つ一つ訪ねて行った。

「チキンを5,000ウォン分だけください」

しかし、チキンは普通は2万ウォンくらいが最小の単位だ。どの店でも「だめ」「かえれ」という返事だけだった。最後にチキンチェーン店の「鉄人7号」マッポ店に入った。店長のAさんが、兄弟を見て「そこに座ってて」と言った。すぐにチキンが出てきた。うまそうに食べる弟Q君を見ると、P君も満足だ。二人でばくばくと食べた。食べ終わって5,000ウォンを払おうとすると、「それはいいよ。また食べたくなったら、いつでもおいで」と店長のAさんは言ってくれた。

それは去年の今頃で、1年くらいが過ぎた。それまでの間に、弟は何度か一人でチキンを食べにいき、髪が伸びていたときには、店長のAさんがわざわざ理髪店まで連れて行って散髪までしてくれた。

最近、P君はお世話になった店長Aさんのことを手紙に書いてフランチャイズの本社に送った。驚いたフランチャイズの代表が、本社に届いた高校生P君の手紙を、SNSを通して公開したことで明らかになった。P君は手紙の中で「初めて会ったわたしたち兄弟に、温かいチキンと関心をよせてくださった社長Aさんに心から感謝する」とし「僕が大人になってお金をたくさん稼げるようになったら、僕らのように貧しい人たちを助けながら生きていける社長Aさんのような人になりたい」とつづった。

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