あまりに不自然。東京の中古マンション成約件数「大幅減」の不気味

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東京都の中古マンション市場が不自然な空気に覆われているようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、先日とある企業が発表した1都3県の今年2月度の不動産流通市場動向を紹介。中古戸建の成約件数が大幅に増えた一方で、東京都の中古マンションが市場に出ない状況に対し、率直な心情を吐露しています。

東京都中古マンションの市場流通大幅減が止まらない

こんにちは!廣田信子です。

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が3月10日、首都圏(1都3県)における2021年2月度の不動産流通市場動向を発表しました。それによると…

■ 中古マンションの流通市場動向

2月の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比-4.3%の3,587件。

地域別に見ると、

  • 東京都区部は、同-7.3%(1,458件)
  • 多摩地区は、同-14.8%(339件)
  • 神奈川県横浜市・川崎市は同-0.5%(654件)
  • 神奈川県他地域は、前年同月と同じ(245件)
  • 埼玉県は、同+5.2%(427件)
  • 千葉県は、同-0.9%(437件)

となっており、神奈川、埼玉、千葉がほぼ横ばいであるのに対して、東京の減少が目立っています。

成約物件の平米単価は、前年同月比+5.3%の57.67万円で10ヶ月連続で、前年同月を上回っています。成約価格の方も、前年同月比+5.7%の3,775万円で9ヶ月連続前年同月を上回っています。

■ 中古戸建の流通市場動向

それに対して、中古戸建の成約件数は前年同月比+22.8%の1,363件と大幅に増加。8ヶ月連続で前年同月を上回り、2月としては1990年5月の機構発足以降、過去最高となりました。

成約価格は前年同月比+6.5%の3,392万円で4ヶ月連続前年同月を上回っています。

■ マンションの流通市場への新規登録・在庫件数

マンションの流通市場への新規登録・在庫件数の減少率拡大が続いています。新規登録件数は、2月は13,192件で前年比-24.3%の大幅減となり、19年9月から18ヶ月連続で前年同月を下回っています。前月比で見ても2.1%減少し前年比の減少率は20年11月以降、拡大し続けています。

したがって、2月の在庫件数は36,323件と前年比-23.4%の大幅減となり、19年12月から15ヶ月連続で前年同月を下回っています。前月比も2.0%減少しています。


中古マンションが流通数、在庫、成約率、すべてで減少傾向が止まらない。特に東京都で著しい傾向。という結果は、予想されたものとはいえ、やはり数字で見ると驚きでした。

東京は、中古マンションが市場に出なくなり、在庫数の少なさが、成約価格を押し上げている…しかし、価格が高いゆえに成約率も低い。みんなが「売り」のタイミングをじっと待っているような、何か不自然な市場の状況がいつ、何をきっかけにどっと動くのか…いやな胸騒ぎがするのは私だけでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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