「ねずみ講以外の何ものでもない」と警告も。いま注目の「NFT」とは?

shutterstock_1930444274
 

つい先日も日本人VRアーティストの作品に1,300万円の値がつくなど、今年に入りにわかに盛り上がりを見せる「NFT」。しかし、その全貌を理解している方はまだまだ少ないのではないでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、著者で「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さんが、そんな「NFT」を徹底解説。さらにその未来についても考察しています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

中島聡さんのメルマガご登録、詳細はコチラ

 

私の目に止まった記事

NFTs Are a Pyramid Scheme and People Are Already Losing Money

最近注目されているNFTは、「ねずみ講以外の何ものでもない」と厳しく警告する記事です。

NFTは、Non-Fungible Token(Non-Fungible=代替不可能)の略で、主にアーティストが自分のデジタル作品の「所有権」をコレクター・アイテムとして世の中に出すことにより利益を上げる仕組みのことを指します。

写真であろうと絵であろうと、デジタル作品である限りコピーは無限に可能です。そのため、キャンバスに描かれた油絵のように、通常の方法(画廊での販売やオークション)では取引が不可能です。

その欠点を補うために作られたのがNFTで、デジタルアートに対して、唯一無二の(つまりNon-Fungibleな)「所有権」を暗号通貨を使って定義し、その売買を可能にしたのです。

この仕組みが面白いのは、NFTを作る際に、アーティストが取引手数料を自由に設定出来る点にあります。

キャンバス上に描かれた絵画であれば、アーティストは一番最初に画廊を通して販売したお金は手に入れることが出来ますが、その後、市場でその絵画の価値がどんなに上がろうと、その恩恵に預かることは出来ません。

しかし、NFTを使って自分のデジタル・アートの権利を売り出す際に、「将来の取引の10%を受け取り続ける」という権利を紐づけておくことが可能で、それによって、アーティストは、取引が発生するたびに、チャリンチャリンと分け前をもらうことが出来るのです。

暗号通貨を使っているからこそ出来る芸当で、これを「暗号通貨の最初の実用例」だと指摘する人もいます。

コピー可能なデジタルアートに所有権というものがあること事態が直感的には分かりにくいのですが、実際の作者がそれを定義し、それを他の人たちが「価値があるもの」と認めれば、取引は成立してしまうのが市場というものです。

print
いま読まれてます

  • 「ねずみ講以外の何ものでもない」と警告も。いま注目の「NFT」とは?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け