650億赤字でニコンが一眼レフ国内生産終了。老舗企業はなぜ躓いたのか

 

【サーチ&リサーチ】

*この45件の中には、一眼レフへの拘りから次第に苦しくなっていくカメラ業界、とりわけニコンが悪戦苦闘する悲喜劇が詰まっているように感じられる。

2016年8月4日付
熊本地震の影響で「部品調達先の被災でデジタルカメラの生産が滞り、2017年3月期の営業利益で70億円のマイナス影響が出るとの見通しを示した」とされている。

*このときはまだ「利益率の高い一眼レフの生産を優先している」と言えた。

*ミラーレスカメラが本格的に売れ始めるのは2017年頃のようだ。「女性に人気」、「小さくても本格撮影」と。対抗するかのようにニコンが登場させるのは「1秒間に8コマ連写できる一眼レフ」のような高機能のものや、医療用の高精細のカメラで、そうしたものに注力する「構造改革」に向かう。牛田社長曰く「デジカメは高精細の「8K」に対応した製品の開発を進め、スマホと差別化する戦略」と。さらに…。

2017年10月10日付
スマホに押されて売れなくなったため。「中国・江蘇省にあるコンパクトデジタルカメラの工場を閉鎖すると発表」。

*ミラーレスカメラの進化が加速。パナソニックはピントが世界最速0.04秒というミラーレスカメラを発売。

2017年11月30日付
一眼レフのプロ向け市場にソニーが参戦。ニューヨークで発表会が開かれ、「α9」は部品を極力電子化してシャッター音も振動もない、秒間20コマ連写可能なカメラ。「ゲームチェンジャー」と言われる。

*キャノンはフィルムカメラの販売を終了(18年5月)。

2018年7月26日付
ニコンはようやく高級ミラーレスを投入。しかし、「昨年11月に中国工場でのミラーレスの生産を終了し、しばらくミラーレスを生産していないが、戦略を転換する。上級者向けの高級機種を年内にも発売する見通しだ。ニコンは主力の一眼レフカメラの売れ行きに悪影響が出ないように、ミラーレスではより小さめのセンサーを搭載した機種を投入。一眼レフとのすみ分けを狙ってきたが、今年2月、大型の「フルサイズ」センサーを搭載したミラーレスを今年度中に投入する意向を示していた」

*上記記事は、ニコンの逡巡ぶりがよく出ている。高級ミラーレス市場にはまもなくキヤノン、パナ、そしてソニーも参入。

●uttiiの眼

私もニコンの一眼レフとスマホのカメラを主に使いながら、次第に一眼レフを使う機会が減っていくのを実感していました。私のスマホカメラはまだそれほど高性能でも高精細でもないですが、それでも、大半の用途には足りてしまう。プロ用は別として、一眼レフの時代は終わってしまったのかもしれませんね。それにしても、ニコンが心配です。

image by:Por Pratya / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額440円(税込) 【発行周期】 毎週 月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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