*池井戸潤の小説『下町ロケット』にロケット用の「水素エンジン」開発の話が出てくる。
2019年1月29日付
関西の中小企業が2025年大阪万博でのデモ飛行を目指して「空飛ぶクルマ」を作るプロジェクトがスタートしたとの記事。
「開発するのは、環境負荷の小さい水素ロータリーエンジンとバッテリーを組み合わせ、6基のプロペラを備えた一人乗りの機体。一般的なドローンの2~3倍にあたる60分程度の航続時間を目指すという。水素(ハイドロゲン)とドローンを合わせ、「ハイドローン」とも名付けている」
*この後は、「水素エンジン」と言いながら、「燃料電池」のことを指している記事があるのみで、最後は今日の記事と基本的に同じ内容のものが3本続くのみ(正確には昨日付が2本、きょう付が1本)。「ガソリンの代わりに水素を燃やして動かすエンジン」を搭載したクルマという意味での「水素エンジン車」を取り上げた記事は、ほとんどないことが分かった。3本の記事のうち、2本には、紙面掲載記事に書かれていない情報が含まれているので、以下、その点に絞って紹介しよう。
2021年4月22日付と23日付から
水素エンジンの研究は1960年代ごろから海外で始まり、独BMWは2006年に実用化。米国に輸出して販売した実績があるという。
日本ではマツダが水素エンジン車を製造。2006年に実用化し、自治体などにリース販売。09年にはモーターと水素エンジンを組み合わせたハイブリッド車も実用化し、航続距離200キロを実現したが、現在、リース販売は終了しているという。同社広報によると、市場環境をみて、すぐに販売できる状況ではないと判断したといい、「水素エンジンの研究は現在、中断している」のだという。
水素はガソリンの8倍の速度で燃えるので、エンジンのパワーを出しやすいと期待されている一方、「燃焼速度が速すぎるために、エンジン内で水素を効率よく燃やすのが難しい」らしい。トヨタの執行役員によると、「ガソリンエンジンに使う「直噴」の技術を活用した効率のよい燃焼技術が最近になって開発された。現在の水素エンジンの出力は「一般的なガソリンエンジンと遜色のないレベル」になった」のだとも。
●uttiiの眼
どうも、製品化できない決定的な理由があるようだが、ブレークスルーに期待しているからなのか、水素エンジン車に前向きな姿勢が示されている。しかし、なかなか「製品」が出てこないというジレンマ。そもそもガソリンの8倍のスピードで燃える水素…もう、それ自体「爆発」と言った方が良いような気がするが、その爆発を制御しようという技術開発の未来は、本当に明るいのだろうか。富士スピードウェイで行われる「24時間耐久レース」は5月21日から。
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