論点が完全にズレまくっている外資比率問題
今回のCX騒ぎで重要なのは、この外資規制というのは、単に手続きの問題だということです。外資規制で騒ぐ前に、外資の横暴が懸念される問題はたくさんあります。
東芝はカナダ系のファンドに買われるかと思ったら、それも流動的になって、様々な海外勢力が狙っています。日立金属も外資に売られつつあります。
また上述の楽天グループも、外資アマゾンとの市場の食い合いに生き残る資金が国内では得られないので、中国テンセントの資金が入ることになりました。そうなると、日本郵政も間接的に外資に買われた形とも言えます。
別に資本に国境はないとは言え、中国の共産党政権はアリババに対して、「大き過ぎる」がゆえに弾圧をしており、自由経済とは程遠い状況になってきました。テンセントの資本は、既に日本の多くのテック関連の企業に入っています。排外主義の立場でなくても、やはり心配になります。
東芝、日立金属、楽天(日本郵政)などの問題は、CXさんの書面上の手続きの話と比較したら、何千倍何万倍も大事なのですが、そっちはスルーして、CXさんと総務省のバカバカしい綱引きに関心を向けるというのは、全く見当違いと思うのです。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)
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