なぜ、現役小学校教師は何もやりたがらない子どもに「何もしない」のか

 

特別な支援を必要とする子どもたちがいる。ここへ支援するにも、必要な視点は「自立」である。あくまで、自立に向けた支援である。それは特別支援学校や特別支援学級だけの話ではなく、全ての子どもへ対する支援の在り方の基本である。

だから「つきっきりでないとやらない」という子どもにつきっきりになり続けることは意味がない。一生自分がつきっきりになることができるならいいが、そんなことできるはずがない。つかないとやらない子どもに、ついて無理にやらせても意味がないのである。

算数などでも同じである。一緒にやれば解けるという子ども。それは「なぞり」学習ができているだけである。「なぞり」を外した状態でできるようになることを目指す。具体的には、テスト段階で自力で解けるようにすることである。

だから、なぞりでできたからといって安心しない。友達に教えてもらった場合も同様である。なぞりや教えてもらってできたら、次に自力での演習を必ず求める。

そこで「自力がさっぱりついてない」ことを本人が自覚する。寄りかかってできていただけだとわかる。そこからが本当のスタートである。

基本的に、手厚くすればするほど、子どもは育たなくなる。成長の勝負の分かれ目はいかに「自分でやる」「自分の責任」と自覚する方向にもっていけるかどうかである。手放せるかどうかである。

可愛い子には旅をさせよ。

教育の基本中の基本である。

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