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「利権」欲しさに家電ゴミ放置の映像をタレ流すマスコミと環境省の大罪

前回の記事『武田教授が激怒。インチキだらけな日本の「リサイクル運動」を全て暴露する』で、日本国内でおこなわれている「リサイクル」や「プラスティック排斥運動」などの真実を暴露した中部大学教授の武田邦彦さん。武田教授は今回、自身のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の中で、「プラスティック問題」の専門家でもない人物が話すウソを平気でタレ流すマスコミを猛批判し、過去には国民の味方だった環境省が利権のために作り上げた「家電リサイクル」の実態を白日の元に晒しています。

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国民のためではなくお金のため。政府とマスコミが造り上げたウソまみれの社会

東京都のゴミはよく管理されていて、道路を歩いていてもゴミが散乱しているということは無い。都民が家庭や事務所から出すゴミは、道路にある集積所などに集められ、カラスなどが荒らさないようにネットをかけ、完璧な状態で区役所の指定の場所に運ばれる。そこからも日本人の真面目さが活きて、きちんと焼却されたり処理されたりして、決して野山に捨てられることは無い。

東京都が海に接しているところは東京湾だが、東京湾に東京都から捨てられたプラスチックごみが流れていることなどない。それでも都知事は「プラスチックの使用を制限したい」と発言した。東京都知事なのに、まるで環境でお金を儲けている世界にはびこる「環境ゴロ」と同じである。

よく「足から血が出ているのに、手に包帯を巻いても血は止まらない」と言われるように、海洋がプラスチックごみで汚れるのなら、ゴミを海に流している国に注意を促せばよいのである。都民をイジメる必要はない。

でも、今の日本はさらに奇妙で、まるでプラスチックの専門家でもない大学の先生が出てきて、「プラスチックの粒は小さくなればなるほど分解が遅くなるので、マイクロプラスチックは何年も分解せずに海中に残る」などと奇想天外なことを言い、それをテレビが放映する。

分解速度のような一次反応に近いものは、体積と表面積の比で分解速度が決まるので、粒子の直径が小さくなると表面積の割合が大きくなるので当然、分解は早くなる。こんなことを間違えたら専門家はクビであるが、白昼堂々と「マイクロプラスチック(表面積が大きいプラスチック粒子)は分解せずに環境に残る」と言う専門家がテレビに出るのだから驚く。現在の日本社会は「ウソの方が都合が良い」ということが常識となってしまった。

この現象は、報道の倫理を厳しく追及しなければならないことでもある。

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騙しのテクニックを操る環境省は「家電リサイクル」をどう伝えたのか

もう一つ取り上げなければならないのが環境省だ。

現在の環境省は、かつて工場からの噴煙、汚染物質を流すことによって起こる有害物質での川や海の汚染の監視などをする小さな役所だったけれど、水俣病や四日市ぜんそくなどの公害問題が起きたので、まず環境庁になり、さらに現在の環境省に格上げされた。

政府の施策はどうしても「イケイケどんどん」になる。そうすると公害や環境汚染が起きるので、「先に行く、発展する」という経産省などの活動や企業の行動をチェックして、国民のために環境を守ることを目的としていた。事実、水俣病が大きな問題になって解決が難しくなった時、時の環境大臣が水俣に出向き、被害者に頭を下げるということがあった。

つまり、環境省とは「政府の中ではあるが、必ずしも政府の方針に従わず、国民側に立って環境を守る」という役割だった。その点では、国のお金の使い方をチェックする会計検査院的な面を持っている。

ところが、次第に「利権化」して他の省庁となんら変わらない行動を取ることになった。その最初が「家電リサイクル」である。

国民から見ると家電リサイクルは、テレビや新聞が必要性を唱え、そのうち「放置される家電製品」の映像が続いた。野山に捨てられた家電製品の映像が毎日のようにテレビに流れ、「これはどうにかしなければならない」という雰囲気を作る。

実は、全国の廃家電は順調に処理されていた。でも、日本は広く、いろいろな人がいるので、どこかを探せば野山に捨てる人もいる。それを撮影しただけだ。

しかし、その頃テレビは既に「事実でなくても一部を映像で流せば国民は騙される」ということを十分に知っていて、誘導し、家電リサイクルの制度になった。でも、これを後ろで操っていたのは官僚と業界であり、既に経営が順調ではなくなった家電業界は、それまで一台500円で処理していた家電製品を、約4000円にあげて家電業界が処理をすることにした。

でもそんな騙しのテクニックを使ったので、日本の家電メーカーは国際競争力に勝てなくなって、現在のように全滅状態に陥ったのであった。(メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋)

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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