中国で「臓器狩り」横行か。ドナーを数時間で調達する13兆円ビジネスの闇

 

かつて、中国は死刑囚をドナーとして臓器を摘出していました。このことは中国政府も認めていますが、2015年にはやめたと主張しています。

一方で、中国衛生部の元副部長で中国人体器官捐献与移植委員会委員長の黄潔夫氏は、中国での臓器移植は2020年に世界最多となり、アメリカの年間4万件を上回るだろうと述べており、その臓器はどこから来るのか、疑問視されています(前掲「ウオール・ストリート・ジャーナル」)。

中国には自主的な臓器提供の伝統はありません。加えて、たとえ死刑囚がドナーになっているとしても、中国での死刑執行は公式には年間数千件程度しかないため、数が合わないのです。中国政府は大量の臓器がどこからきているのか、ドナーが誰なのかといったことについて、まったく説明していません。

そのため、大半の臓器は拘束された少数民族や法輪功の信者などから取り出されたものだと目されているのです。実際、新疆ウイグル自治区出身の元外科医、エンヴァー・トフティ氏は、処刑されたばかりの囚人から肝臓と腎臓を摘出するように命令され、まだ心臓が動いているなか、それを実行したと暴露しています。臓器摘出後は固く口止めされたといいます(「NEWSポストセブン」2019年9月15日付)。

「中国臓器狩り」戦慄の手口 亡命ウイグル人の元医師が激白

中国の臓器売買ビジネスは年間3兆円の規模だと言われています。中国の非合法な臓器摘出を告発する報告は、枚挙に暇がありません。

日本でドナーがなかなか見つからないため、中国で危ない臓器移植をするということになれば、それは犯罪に加担することになることを忘れてはいけません。

台湾人医師は、中国の臓器移植ビジネスの最新事情をよく知っています。そのため自分が病気になり臓器移植が必要となっても、人道的な配慮から、ドナーを求めて中国に渡ることは非常に少なく、そのまま死を迎えるケースが少なくありません。それは、日本の古風を守り続けているからでもあります。

加えて、台湾人は中国を訪れているとき、いくら病気にかかっても、よほどのことがないかぎり中国の医療機関を避け、台湾に帰って診てもらうことがほとんどです。それは中国の病院を信用していないからです。台湾人が中国の病院で診てもらったら強制入院させられ、麻酔で眠らされて臓器を盗まれるという事件が報じられたことがありました。

2018年には、スイスで予定されていた人体標本の展覧会が中止になりました。同展で出展されている人体標本が、中国当局により拷問死した法輪功のメンバーである可能性が高いという申し立てがキリスト教団体からあったからです(「AFP」2018年10月17日付)。

人体標本展を中止、拷問死した中国人の可能性 スイス

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