コロナ禍でリモートワークが当たり前となった昨今、働き方が大きく変わったというビジネスマンの間で悩みのタネとなっているのが「休憩」の取り方です。以前ような決められた休憩時間が無くなり、休みどころを掴めないという方も増えてストレスを溜めている方も多いのではないでしょうか? 今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央 周さんが、蒸気を吸い込んでリラックスできるペン型デバイスに「休憩のタイミングを教えてくれる」機能を付けた画期的な商品を紹介。マーケティングのプロが驚く、モノにコトを付加させた企業の「目利き力」とは?
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モノだけでは売れない! コトを付加して継続商品にする「リカーリングビジネス」の考え方
ブリーザー株式会社が6月15日、ZORN(ゾーン)という「休憩するタイミングを教えてくれるグッズ」を発売しました。
この製品コンセプトは、「頑張る人の“ひと休み”をアップデートする、ブリージングデバイス」です。
この製品の見た目は、長くて太いボールペンのような形です。主な機能は2つあり、1つは、蒸気を吸い込んでリラックスすること、もう1つが「休憩のタイミングを教えてくれること」です。
1つ目の蒸気の方は、製品の中にカートリッジをつけ、カートリッジ内のリキッドが、スイッチで熱せられて蒸気になり、そこに口をつけて吸い込みます。
その蒸気に溶け込んだ成分の味や香りで、リラックスするというものです。
モンスターやレッドブルなどの、エナジードリンク、の蒸気版といった感じです。
“息をするように吸い込む”ので、ブリージングなのです。
このカートリッジは2種類あって、仕事での気分転換や、もうひと頑張りしたい時によい、カフェインが配合されている、「POWER」というミントフレーバーのもの。
もう1つは、気分を落ち着かせたい時や、リラックスしたい時によい、GABAが配合されている「CALM」という、ココナッツフレーバーのものです。
この会社は以前、こういった蒸気でフレーバーを感じさせる「ston(ストン)」というデバイスを販売していました。
今回の新商品のZORN(ゾーン)の特徴は、さらに「ひと休みセンサー」という機能がついていることです。
電源を入れ、センサーに指をタッチすると、“脈の波”を測定してくれ、その脈の波によって、どれだけ休憩をとればいいのか、をおすすめしてくれます。
私もやってみましたが、小さくひかるライトがあり、そこが、青、黄色、赤のどれかの色に光ります。
青なら、3分、黄色で5分、赤だと10分休むといいですよ、といった具合に、3段階の休憩時間をお知らせしてくれる、ということです。
これによって、自分がどれくらい休むといいのかということを、客観的に知ることができるのです。知らない間に疲れている、ということもあるので便利です。
長く続くコロナ禍の今、リモートワークや在宅勤務、営業もリモートで、と、仕事の仕方が変わってきています。
そうなると、合間合間の休憩をどうすればいいのか、サボっているように見られなないかと、心配になるビジネスパーソンも多いはず。
自宅で仕事をすることも増え、ZOOMやマイクロソフトチームスなどの、インターネット機能で会議などしていると、知らない間に疲れていることも多いはず。医療機器ではないので、あくまで目安ということになるのでしょうが、便利な機能です。
私も大学で講義をしていると、対面よりも、ZOOMなどパソコンを通して講義をする方が目が疲れたり肩が凝ったりします。
このように、知らない間に溜まってしまった疲れがあるかどうか自分で気づかせてくれるものがあると、ちょっと休もうとか、まだ大丈夫だなという基準になります。
この商品の“機能的”な特徴は、成分を蒸気にするという技術なのですが、今回はその機能に、この「自分に合った休憩時間のお知らせをしてくれる」という機能を付加しています。
1つのデバイスで、リラックスできることと、自分にマッチしたひと休みの仕方を教えてくれる、という2つの効用が得られる「新結合」になります。
特に、ここ1年半で私たちの生活が大きく変わり、見えないストレスが溜まっている人たちも増えています。
そんな中、自分では気づきにくい溜まった疲れで、仕事の効率が悪くなってしまうことも多いはず。
その辺りの「隠れたニーズ」に目をつけたところが、この会社の目利き力、と言えます。
モノや情報が溢れている今の時代、なかなか製品の特徴だけでは売れません。かといって、世の中にない、画期的な新製品を開発することは、そう簡単ではありません。
しかし、このZORNのように、製品に新しい「コト」という価値をくっつけることで、ユーザーにとって、新しい休憩のスタイルを取れるようになります。
どうしても価格競争になってしまう、新しい顧客が獲得できない、という売れない問題を抱える企業も多いと思います。
そんな時はこのZORNの事例のように、市場で困っている人が多くいる状況はないか、という市場機会があるかどうかを見極めるといいでしょう。
また、今手持ちの製品やサービスに、顧客問題を解決できるモノやコトを追加できないか、を考えてみることをおすすめします。
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