7月4日の東京都議選で自民公明の与党は、目標とした過半数を獲得できず敗北。しかし、野党も議席数を増やしたとはいえ政策を任される数には遠く及ばない結果に終わりました。焦る自民党内には一律の定額給付金を再び配る案が浮上しており、立憲民主党は先んじて給付金政策を掲げるべきと主張するのは、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』著者で小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんです。石川さんは、いま求められる政策として、感染対策費の税制優遇、リモートワークが定着しつつあることを受けて企業の地方移転促進策などを提言しています。
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ポストコロナにふさわしい「新・日本列島発展論」を/地方回帰の経済対策が必要だ
7月4日に投開票された東京都議会議員選挙で、自民党(25→33)が第一党に返り咲いた。しかし、都民ファースト(45→31)との差はわずかに2議席で、事実上の敗北となった。全勝した公明党(23→23)と合わせても過半数に達しないため、都民ファと連携せざるを得ない状況となっている。(カッコ内は、選挙前議席数→今回獲得議席数)
一方の野党も、立憲(8→15)と共産(18→19)が住み分けた結果、議席数は上乗せしたとはいえ、合わせて34議席しかない。特に立憲は共産党の後塵を拝した。無党派層を捕まえることができず足腰が弱いので、共産党に頼っていることが浮き彫りとなった。これでは政権交代を唱えても迫力に欠けるのは否めない。ここは国民に期待を持ってもらえる政策を打ち出さないといけない。
国民が危機感を持っていることに応えていく政策を打ち出すことだ。まずは新型コロナ対策である。自民党は秋の臨時国会で30兆円規模の経済対策を打つのではと言われている。都議選の結果を受け、国民受けする政策を打ち出すはずだ。すでに10万円の給付金を再度配るべきという案も浮上している。
だからこそ、野党はいち早く給付金の配布を打ち出すべきだ。財政再建より目の前の貧困を救うことが先だ。飲食店や観光業には、感染対策を取っている方への緩和を推進し、感染対策費については税制上の優遇措置を設けさせて「お店の改造」などを進めさせるべきである。
私が最も重要と考えるのは、新型コロナ禍をきっかけに日本の構造を変えていくことを、立憲の枝野幸男代表が打ち出すことだ。
田中角栄総理は日本列島の均衡発展のために予算を使い、国民がどこに住んでいても利便性を保てるように高速道路を作り空港を造成し新幹線を延長させた。しかしその後、都市に人が集まるようになり、田舎は便利になったもののそれを利用する人が少なくなっている。日本は一極集中により、都市に住む人は高い家賃にあえいでいる。一方、地方は暮らしやすいものの仕事がないので、どうしても都会に仕事を求めてしまう。
だが、コロナ禍でこの社会構造を変えることができることを、我々は実感している。リモートワークによって出社時間も調整できるようになった。田舎に住めば、3密を避けることもできる。
田中総理はインフラ基盤を整備した。令和の政治家はネットインフラと子育て環境を充実させることにより、地方で子どもを育てながら仕事ができる環境を整えて均衡発展ができる日本列島を作るのが使命ではないだろうか。
本社機能の地方移転も促進すべきだ。すでにパソナは本社を淡路島に移す計画案を発表し、実行に移している。国が税金の優遇や補助金で後押しすべきだ。
新たな「新・日本列島発展論」を国民に問うて選挙戦に臨んでもらいたい。
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image by:Ned Snowman / Shutterstock.com